【2009年7月11日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

プホルズはデビュー年の開幕第一戦に先発して以来、2度のDL入り以外ほぼすべての試合に出場し、傑出した実績をあげてきた。95%を超える出場率はイチローと双璧である。そして、タイプは違うが、常にリーグトップクラスの成績を上げ続けてきたことでも、イチローとプホルスは共通している。

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こういう安定したSTATSは、MLBでも稀有である。一昨年までのゲレーロがやや近いが、スケールは少し上である。毎年、単独のSTATSを見ているだけだとわからないが、プホルズは2007年やや不振だったのだ。そして、今年の前半戦はいつにも増して好調だ。

 

こうして積み重ねた数字がいかに凄いかを、脂の乗り切った働き盛りの強打者と比べることで見てみよう。現役で1500安打以上を打って、しかもまだ晩年を迎えていない選手12人との比較である

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シングルヒッターのイチロー、ジーターから大ものうちのA-RODまで、キャリアも経験も十分な打者たちと比較しても、プホルズのSTATSは傑出しているのだ。タイトルは1度(2003年首位打者)だけだが、彼が三冠王に最も近いといわれる所以である。イチローとは毎年通算打率で激しい争いをしていたが、2008年ついに追い抜いた。Decade(10年)での通算記録を争うという観点に立てば、01-10のDecadeで同期のイチローとプホルズ、どちらが10年首位打者を獲得するかも興味深い。

バランスが取れた上にスケールもトップクラス、そして安定度も抜群。プホルズはそう言う打者である。

■後日談:本塁打王と言う2つめのタイトルをようやくとったが、実力の割にタイトルに縁がない。本人にその意識が希薄なのではないか。