2009年、MLBで規定試合数を守った左翼手は以下の13人である。これをRFの高い順に並べた。RF(RangeFactor)とは、刺殺+補殺をイニング数で割って9倍したもの。つまり1試合当たりどれだけのアウトをとったかという数字だ。それほど信頼されている数値ではないが、守備範囲の広さ、処理した打球の多さを端的に表している。ちなみに、ZR(Zone Rating)は、STATS.Incという会社が個々の野手の守備を測定した、本来の守備位置で処理するべき打球をどれだけ処理しているかという数値。小さい方が良い。

20091211-01
偶然だろうが、アリーグの左翼手の方が成績が良い。なかで、デーモンの数値の低さが目立っているが。

これに対比するに松井秀喜の2008年までの守備成績である。

20091211-02
守備率は中の下、RFは2.00前後。ひざを痛めていないときでも、松井は並みの左翼手だったと言えよう。もっとも、数字に表れない部分では、返球が的確で速いとか、キャッチングも正確だとか、長所はなくはなかったが。

さて、FAになったジェイソン・ベイの移籍の可能性が高まる中で、松井秀喜のBOSへの移籍の可能性が取り沙汰されている。BOSにはオルティーズというDH専業打者がいるから、松井は守らなければならない。そのことについて考えてみよう。

20091211-03
BOSのフェンウェイパークの左翼は、MLBで最も狭い。この位置は一昨年まで6年にわたって、マニー・ラミレスのものだった。ラミレスはクッションボールの処理には優れていると言われていたが、RFで見る限り、守備機会数は最低の部類だった。無理に追わずに2塁打にするか、センターに取らせるか、マニー・ラミレスの守備はその程度だった。

一昨年後半、マニーはLADへ去り、PITからジェイソン・ベイがやってきた。左翼を守った当初、RFは低かったが、2009年になって数値は飛躍的に向上した。ベイは決して守備の評価が高い左翼手ではないが、狭いフェンウェイの左翼では、それなりの数値を上げることが可能なのだ。「比較的優しいポジション」と言っては語弊があるだろうが。

松井秀喜は、少なくともマニーよりもましな守備ができれば、BOSの左翼は務まる可能性がある。1300万ドルという高給を多少は下げなければいけないだろうが、NYYに匹敵する華やかなステージで活躍する余地はあると思う。

ただし、BOSはセイバーメトリクス信者である。また、NYYと異なり堅実な先行投資を計画的に行ってきたチームである。それを考えると移籍の可能性は高くないとも思う。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!