ナリーグの三冠王候補は、プホルス。これは衆目の一致するところだ。ではアリーグはだれか?少し前ならA-RODが本命だっただろうが、今年の衰えにやや不安を感じる。思い切った見方かもしれないが、マウアーがその筆頭候補ではないかと思っている。

大物打ちで本塁打、打点を挙げている打者が打率を上げるのは至難だが、もともと打率の良い打者が、長打力をつける方が比較的容易だからだ。

2009年のマウアーは、そう思わせるに十分な変身を遂げた。

 Mauer

もともと四球と二塁打の多い堅実な打者だったのが、安打数が増え、本塁打が激増したことでアリーグでは唯一OPSが1.000を超えた。今年のMVPは間違いないところだった。大打者にはこういう形で長打が増えていくケースが多い。

ただ、問題は捕手と言うポジションである。

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捕手としてもマウアーはそこそこやるという評価だったが、数字を見る限りはそれほどでもない。レギュラー捕手としてはほぼ中位と言う感じだ。2009年で気になるのは、パスボールがMLB最多タイだったのと、盗塁阻止率が急落したことだ。

マウアーは身長196センチ。マット・ウィータースなど同じくらいの長身捕手もいるにはいるが、やや背が高すぎる。イヴァン・ロドリゲスは175センチ、バリテックは188センチ。その長身が守備を窮屈にしているように思える。

また、MLBでは捕手は140試合前後しか出場しない。本塁打、打点など積み上げ型の数字を増やすには不利である。さらに故障のリスクが最も大きいポジションでもある。ケンドールのように捕手というポジションにこだわるあまり、キャリアSTATSを落としてしまった前例もある。マウアーは内外野手転向を考えても良いかもしれない。1塁には僚友モルノーがいるから、簡単ではないだろうが。

来季をつとめあげればFAになる。MINという家族的なチームに残留してほしい気もするが、NYYやBOSがほっておかないだろう。あるいはそのタイミングで他のポジションへのコンバートも考えられなくもない。

ともあれ、この稀有のバッティングの才能が順調に伸びることを期待したい。

 

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