さらに細かいSTATSで松坂を分析してみよう。

まずは、ゴロとフライの比率とストライクの比率。

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はっきり分かるのは、ゴロとフライの比率がかなり変わっていること。松坂はもともとフライを打たせる投手だという印象だったが、2009年はこの比率がさらに高くなっている。ストライクの比率は大きく変わっていない。これは、打者が思い切って振っているということではないか、威圧感がなかったのではないかと推測できる。

さらに見てみよう。球種別の比率である。

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比率は大きく変わっていない。こうしてみると、松坂はやはり速球主体に投球を組み立てているのだということが分かる。恐らくは、この速球のスピードが足りず、しかも甘かったために松坂は苦戦したのではないか、と思われる。春にスコアを確認した限りでは、松坂の球速は91マイル前後しか出ていなかった。

最後に、1試合完投に換算した四球、安打、本塁打、さらに被打率、BABIP(フェアグランドへ飛んだ打球が本塁打以外の安打になる率)、DIPS(奪三振、被本塁打、与四球に絞り込んだ投手力)を見てみる。DIPSはERA(防御率)との比較で見ていただきたい。

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四球や奪三振の比率は大きく変動していない。はっきり悪くなっているのは被打率だ。2008年は規定投球回数以上の打者で最も安打を打たれなかった投手だが、2009年は大きく下落した。被本塁打も増えている。球の威力がなかったのか、と推測できる。

松坂は、NPB時代後半はERAとDIPSは拮抗していた。投手自身の責任ではない要素(野手の間を抜く安打、ファインプレー、審判の判定に左右される四球など)が含まれるERAと、投手の純粋な責任能力を表すDIPSが拮抗しているということは、NPB時代の松坂は実力に見合ったSTATSだったということだ。しかし、MPBに移って2年目の2008年は、ERAの方がDIPSよりもかなり良くなっている。この数字で見る限り、2008年の松坂は実力以上のSTATSを残したということになる。フロックとまでは言わないが、調整不足に加えて、松坂自身の過信が、2009年の陥穽を生んだという面も否めないのではないだろうか。

 

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