巨人のアレックス・ラミレスはベネズエラ出身。1991年、CLEと契約した。彼を見出したスカウトのルイス・アポンテは敏腕で知られ、マイサー・イズトゥリス、ビクター・マルチネス、マルコス・スクータロなども彼によって見出された。

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CLE傘下での出世は決して早いとは言えず、6年目の98年にようやくMLBに上がった。CLEでは2歳上のマニー・ラミレスがいて、すでに主軸として活躍していた。しかし、マニーは同姓のアレックスをはっきり認識したかどうかはわからない。アレックスはこの年3試合に出ただけ。翌年も大半をAAAで過ごした。MLB昇格3年目の2000年にPITへ移籍。この年はCLE、PIT合わせて84試合に出場。彼のキャリアでは最多だったが、翌年にNPBに移る。

アレックスがMLBで成功できなかったのは、いわゆるフリースィンガーだったからである。四球をほとんど選ばず、振り回すタイプ。当たれば大きいが、凡退の方が多い。信頼感のない選手だった。

ヤクルトに移籍してからもその傾向は全く変わらなかったが、日本では本塁打が良く出たうえに打率もそこそこ上がった。ヤクルトにはロベルト・ペタジーニと言う同国出身の先輩外国人がいた。ペタジーニはアレックスとは対照的にじっくり球を見る出塁率の高い打者だった。貢献度の高いペタジーニがいるおかげで、アレックス・ラミレスは自由に打つことができた。ペタジーニが巨人に去った後はヤクルトでは主軸となり、重しが取れたように活躍し、本塁打王のタイトルを取った。そしてペタジーニの後を追うように巨人に移籍、今季のMVP獲得へとつながった。

ではあるが、今年の前半、アレックスは全く迫力がなかった。打率も上がらず、貢献度は低いと思われた。後半になって帳尻を合わせるように打って、首位打者を獲得した。しかし、今年のアレックスがMVPに輝く活躍をしたとはとても思えない。四球はわずか22。打率.322に対して出塁率は.347。OPSは2008年.990から.891と大きく下がっている。タイトル、100打点という数字よりも貢献度は相当低いと思う。

今年、阿部慎之助は20試合欠場したものの、長打率、OPSともにリーグ1位の活躍。捕手としてのリードも考えれば、彼の方がMVPにはふさわしいのではないかと思う。2番目が小笠原道大、ラミレスは3番目だと思う。

MVPは記者による投票で決まるが、どんな基準で票を投じたのか、聞いてみたい気がする。

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