身長180cm、77kg。C.Cサバシアなど、巨人のような投手が投げる同じマウンドに立って、細身、長髪の投手が2年連続サイ・ヤング賞である。2009年は15勝での受賞。大いに議論を呼んだが、その受賞の理由を、STATSから探ってみたい。
リンスカムは2006年SFに1順目(全体10位)で指名される。この年は投手の当たり年で1順目だけを見ても、いの一番のホッチェバー、Bモロー、カーショー、チェンバレンなどがいる。野手ではエバン・ロンゴリア。
ワシントン大学の3年目から、リンスカムは圧倒的なマウンドを見せるようになる。強烈に動く115km/hのツーシームとチェンジアップ、スライダー、カーブ。プロ入りした時にはすでに完成していた感が強く、マイナーではほとんど打者を寄せ付けない投球を見せて、翌年にはMLBへ。ここでもほとんど挫折を知らずにトップクラスに駆け上がっている。
さて、2009年のSTATSを見て一目瞭然なのは、勝敗をのぞくほとんどのSTATSが向上していることだ。ERA、完投、完封、被安打、被本塁打、与四球、WHIP。奪三振は少しだけ減っているが、内容的には2008年より上なのだ。それを裏付けるのはDIPS。投手のみに責任がある要素である奪三振、与四球、被本塁打の数値だけで評価したSTATS。リンスカムのDIPSは、2.34。これはナリーグダントツの1位。防御率でも勝星でも上のウェインライトは3.12。サイ・ヤング賞争いのライバル、カーペンターは2.78。
2008年にサイ・ヤング賞を取った投手が、翌年、それより上の数字を残したら、当然受賞対象になるだろう。しかも、投手本来の能力を示す数値は1位である。サイ・ヤング賞選考委員の記者たちは、本当によく見ていると思う。
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