MLBファンとしては、苦いものでも飲みこむような思いで接したニュースだった。STLのコーチ就任のために、マグワイアが10年以上前のステロイド使用を認めたのだ。

マグワイアはサプリメント(アンドロステンジオン)の使用は現役時代から認めていたが、かつての僚友ホセ・カンセコがリークしたようにもっと深刻なステロイド剤を常用していたのだ。

マグワイアのSTATSはバリー・ボンズのそれと並んで異様なものである。

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デビュー1年目で49本塁打を打った時は、恐ろしい新星があらわれたものだと思った。ただこの時点では、今のライアン・ハワードやプリンス・フィルダーに近い、粗削りな逸材登場と言う感じだったのが、マグワイアはそこから円熟するどころか、ますます極端な、ピーキーな打者へと変貌していく。打率は極端に低く、本塁打が極端に多い。その上よく休む。さらに言えば、成績が一定しない。毎年異なる数字を記録しているのだ。

88年以降は40本塁打40盗塁のカンセコの方が目立っていた。またカンセコ移籍後も故障などで93~94年をほぼ棒に振る。そして95年からの本塁打ラッシュの時代を迎えるのだ。95年のオーナー交代を機にOAKは財政難となり97年のトレード期限最終日にマグワイアはSTLに移籍する。(97年10月にOAKのGMになったビリー・ビーンは、マグワイア、カンセコなどの大砲がいなくなったチームの立て直しを任された。ここから「マネーボール」が始まったのだ。)

そして1998年、あの70本塁打の年を迎えるのだ。この年のRCは驚異的な170.80を記録する。しかしそこからマグワイアの退場まではわずか3年に過ぎない。そしてこの3年のSTATSは異様としか言いようがない。最晩年の3年間で打った本塁打は126本。これは、同時期の安打273本の46.2%に達する。ほとんど本塁打しか打っていなかったのだ。そして最後の年、つまりチームにプホルスが入った年は、実に安打の52%が本塁打。打率は.187で長打率は.492に達したのだ。「本塁打は打てるが、もう野球はできない」そんな叫びが聞こえそうだ。

声明では89年からステロイドを使用し、93年からは故障の回復のために使った(つまり常用を始めたということか)そうである。だとすれば25歳から38歳まで使用し続けたことになる。これは悲惨だ。

マグワイアは500本塁打を打ったことで、殿堂入りの資格があると言えるが、たとえこの謝罪が同情を得たとしても、その栄誉を獲得するのは難しいのではないか。ピート・ローズのように自らの不行跡が原因ではないが、トップアスリートとして人々の期待を裏切った責任は重いと思う。

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