現役投手の完投(CG)数のランキングは以下のとおりである。


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現役と言っても、先日引退を表明したランディ・ジョンソンをはじめ現在のロースターに乗っていない大物投手が多い。ベスト10の投手で今も第一線で投げている先発投手はハラデーだけである。11位以下にカーペンターやC.Cなどが並ぶが、ハラデーの記録は突出している。


ここ10年ほどで、投手の分業はさらに精緻に明確になっていって、完投はもはや例外的なSTATSになった。2009年はALすべて合わせても完投は72回に過ぎない。そのうちハラデーは1人で9回も記録しているのだ。


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ハラデーは、1995年TORに1順目(17位)、89.5万ドルのボーナス付きで入団した。同じ1順目にはホセ・クルーズ、トッド・ヘルトンらがいた。4年目の98年にはMLBに上がり、99年には先発、リリーフを兼ねるがここから数年は平凡な成績に終わる。故障もあって伸び悩むが、2002年にローテーションに復帰すると、2004年にDL入りした時期を除いて、絶対的なエースとして君臨した。


この投手は、マイナーではなくMLBに上がってから完成された投手である。多くのSTATSがマイナー時代よりも良い。アリーグ東地区と言うMLBの最激戦区でTORは、ポストシーズンへの進出の可能性はほぼ閉ざされているが、その中で圧倒的なエースとして君臨した。


完投にこだわる投球も、往時の国鉄の金田正一(古いか)のような立場ゆえに可能だったともいえるだろう。


2009年末GMの交替とともにハラデーは三角トレードでPHIに移籍。年俸も2011年からは2000万ドルに跳ね上がる。


ハラデーは15年間TORに在籍した。弱小ではあるが、居心地の良い職場だったはずだ。移籍するPHIは、ナリーグ最強チームであり、力の接近する投手が多数いる。その中でもハラデーはエースだろうが、自由度は減るに違いない。


新しいリーグの新しい環境でマウンドを踏むハラデー。興味深い挑戦が始まる。


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