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神戸拓光といえば、「万年期待の星」という印象がある。「代打神戸」のコールで打席に立つと、いかにも打ちそうな雰囲気があった。
191㎝、98㎏という巨体。試合前の打撃練習では、ひときわ大きな当たりを連発し、目立つ存在だった。背番号55が大きく見えたものだ。
しかし、試合ではからきしダメ。変化球に弱いし、配球を読むのが下手だという感じだ。
28歳だがキャリアSTATSは芳しいものではない。

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ここ2年間、1軍出場はなし。2軍では相変わらず主力打者ではあるが、選球眼が悪く粗い打者という印象をぬぐいきれない。
一言でいえば進歩がないという感じだ。



この神戸が昨日、東京三鷹で起こったストーカー殺人事件に対してtwitterで不謹慎なコメントをしたと言われている。

「何の事件か伏せるにせよTVで報じられない(中略)今回のそれは【なるべくしてなった】‥自業自得だヽ(・∀・)ノ」

何についてのコメントかは伏せたつもりだろうが、タイミングからしてこの事件としか考えられない。
非難の声が球団に届いて、球団の指示で投稿を削除。

「今朝は不適切な発言をしてしまいまして大変申し訳ない事をしてしまった事に気付き深く反省しています。関係する方々に深くお詫び申し上げたいです。」

球団は、宮崎のフューチャーリーグに参加していた神戸を会社に呼びつけ、謹慎を申し渡した。

率直に言ってショックだ。神戸のコメントは、ちょっとした感想とか、軽い独り言の類ではない。この男は、女性が殺害された事件を被害者の「自業自得」と断じているのだ。
人権意識のかけらもないし、品性最悪である。



佐野正幸氏に『プロ野球の世界に生きるということ―フェンスの向こうの特殊性』という本がある。

「野球一筋」で生きてきた選手が、いかに非常識で、一般人の感覚からかけ離れているかを紹介した貴重な本だ。
この本には、金銭感覚の乱れなどとともに、女性に対する意識が世間と相当ずれている選手がいることも書いている。確かに、野球選手は女性にもてる。中には女性に対して即物的な意識を持つ選手もいるようだ。「選ばれた人間」という意識が不遜さ、傲慢さに結びつくこともあろう。

しかし、プロ野球選手は社会人である。そして名前を天下にさらして仕事をするという点では歴とした「公人」でもある。
そうした自覚なしに、野球さえできればよいと思っていたとすれば、心得違いも甚だしい。

プロ野球界には良識ある人もたくさんいる。野球を通して知性、理性を磨いてきた人も数多い。神戸は、そうした同業者をも貶める発言をした。
もともとこの選手は問題発言、行動が多かった。物事を深く考えることなく行動する性質だったのだろう。しかし、繰り返すがあまりにも酷すぎる。
川上哲治ではないが、品性が劣る選手は成績が上がらない、という理屈を裏付けているようにさえ思う。

彼の発言は、取り消して謝罪すれば済むというものではない。
球団は解雇を含めた厳しい措置を行うべきだろう。


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