MLBとNPBの大きな違いの一つに、公式戦の地方開催がある。MLBでも日本などで開催したりすることはあるが、例外中の例外。MLBの公式戦を見たいと思えば、普通は本拠地に行くしかないのだ。しかしNPBはかなりの比率で地方で公式戦を開催している。調べてみると良く分からないことが多い。
今季は両リーグで76試合が、本拠地球場以外で開催された。
その一覧。入場者数。雨で流れた試合も載せた。

chihokyujo2013


巨人は、かつては札幌シリーズが良く知られていたが、今は関西、中部、北陸、東北とばらばらである。平日の開催であることもあるだろうが、入りはひどく悪い。
8勝1分と全く負けていないのは大したものだ。

阪神の京セラは「春夏の高校野球」対策。京セラでやるようになってから、死のロードはなくなった。実質的には沖縄での2試合のみ。やはり入りは良くない。

中日は中部、北陸で4試合。4敗とチームもさえないが、入りも半分以下。平日と言うこともあろうが、中日の不人気は相当なものだと思う。

DeNAは東海地区と新潟。このチームも勝っていないが、興行的には健闘している。

ヤクルトは、昔から松山でシリーズを行っている。あとは静岡、秋田、長野。入りは神宮よりも良い。

パリーグ、楽天は東京ドームで1試合だけやって、入場者を荒稼ぎしている。あとは東北エリアで本拠と大差ない入り。

西武は、申し訳程度に大宮で2試合。埼玉県から出ていない。

ロッテはQVCマリンスタジアム以外では主催試合をやっていない。長期低迷傾向が続く中、消極的にも見える。

ソフトバンクは、東京ドームで1試合、あとは九州。入りは良いが器が小さいので入場者数はかなり少ない。

オリックスは、2007年まで神戸と大阪のWフランチャイズだったが、以後は大阪に一本化。しかし神戸で13試合している。実質的には地方主催試合はない。入りも大差ない。

一番大変な移動をしているのが日本ハム。かつての本拠、東京ドームに加えて北海道各地を転戦している。この移動は大変だ。日本ハムは千葉の鎌ヶ谷に二軍があり、まだ片足を関東においている印象がある。それもあって、こういう中途半端なことになっているのだろう。

ずっと本拠を動かない千葉ロッテと日本ハムでは、移動距離もかなり違うはずだ。



地方試合を開催するかどうかは、球団に委ねられているようだ。

本拠地球場より小さい地方球場での興行は、ビジネス的にはマイナスだ。営業政策として考えるなら、その地方でのファンの醸成の機会とすべきだ。
主催試合の前には、プロモーションを行って、動員率を上げ、チームへの関心を高める機会にすべきだと思う。それが遠隔地からの来場者の増加や、グッズなどの販売、TVの視聴率アップにつながるはずだ。

しかし今の地方試合は、「昔からやっているから」「断れないから」やっているとしか思えないものが多い。
入場者数が少ない球団は地方試合を好機にすべきだ。

もう一つ付け加えるなら、独立リーグを前座試合にするなど、彼らを支援してほしい。女子野球とは少しそういう試みが見られたが、四国、BCリーグとのつながりを強める機会にしてほしいと思う。


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