川崎宗則がアメリカで人気者になっているのは知っていたが、日本でもこんなに面白いとは思っても見なかった。
ボストン・レッドソックスとデトロイト・タイガースの地区優勝シリーズ、川崎は第1戦から3試合連続で、NHKBSのゲスト解説。
まず、低音で、聞きやすい美声がいいと思った。声の張りが素晴らしい。さすが現役のアスリートだ。
初日はやや硬さが見えたし、自分のポジションを図りかねている感もあったが、2日目はかなりリラックスし、3日目には弾けた。
「こんなこと言ってもいいんだ!」とわかって、だんだん大胆になっていった感じ。

レギュラー解説者との掛け合いも、どんどん変わっていった。
初日の辻発彦とのコンビでは、辻の意見を補完するようなポジションだったが、2日目の大島康徳に対しては、「大島さん、予言者みたいですね」とよいしょ。大島はブログで「明るくて、元気で、真面目で、ひたむきで本当にいいヤツです」と喜んだ。
そして、昨日は無愛想発言で度々放送ブースを凍りつかせる武田一浩との初コンビ。武田はソフトバンクで臨時コーチを務めたことがあり、2006年WBCのコーチでもあったから面識はあるにしても、スタジオでは別物だと思ったのだが、これが大当たり。爆笑に次ぐ爆笑、武田といつもは上品で控えめな野瀬正夫アナの笑い声が響き渡った。

3日間での弾けたトークをいくつか

川崎:ウサギとカメの話をしたんですが、伝わらなかったんですよ。
藤井康生アナ:アメリカでも知られた話のはずですが、日本語で話したのではないですか?
川崎:あ、確かに日本語でした。

藤井アナ:川崎さんは今年捕手の練習もしてましたね。
川崎:監督には得意だ、日本でもよくやってたよと言いました。やってないですけど。

川崎:(難しい送球を取ってくれた一塁の)エンカ―ナシオンにありがとう、と言って、おにぎりを渡したんですが「いらない、おれ食べられないから」。
梅干しも入れたのに、と言ったんですが、「いや、そんなの食べられない」と言われました。


川崎:僕は(併殺プレーでランナーと交錯するときの)倒れ方も練習しています。
野瀬アナ:他の選手もやっているのですか?
川崎」いえ、僕だけ。だからみんなに何やってんだ、と言われます。今度ベンチの映像が映って、足だけ飛び出ていたら僕だと思ってください。

ボストンで、髭を生やすのが流行っていることに
川崎:自分は髭が生えないんです。田澤君も生えないんじゃないかな、上原さんは滅茶苦茶生えてますよね。ナポリはもうサンタクロースですね。

全部落ちが付いているのが特徴だ。
良い話もあった。

野瀬アナ:(ボストン・レッドソックスの)オルティーズは(負傷した捕手の)アビラに声をかけていますね。
川崎:大丈夫かって言っています。パピは優しいんですよ。2度ほど食事に連れて行ってもらいました。
パピは「お前肉食え」って。みんなすごい肉食べているんですよ。僕も負けずに食べました。




もちろん、現役MLB選手ならではの傾聴に値する言葉も数多く吐いた。

川崎:勝てる投手は、実は日本人が投げるようなきれいな4シームを持っているんですね。普段は投げないですけど、キャンプなどでびっくりするようなきれいな速球を投げます。
武田:それが基本ですね。速球が投げられないと始まらない。

武田:メジャーの投手はいっぱいいて、対戦数も少ないから、球筋がわからないですね。
川崎:だから変化球の曲りを把握しないと目付が変わってくるんで。打席の中で打ちながら把握するんです。
武田:高校野球って、そうじゃないですか。いろんなチームと当たるから、球筋分かんないで。
川崎:そうそう、そんな感じです。

川崎:こっちの打者はグラブから球が離れるところからタイミングをとるんですが、上原さんはそこから球が離れるまでが早いんです。だからタイミングが合わない。
上原さんは足でもタイミングを変えてくるし、余計に難しいですね。


「川崎さんは解説も勤まりますね」と言われて
「いやいや、僕はまだ現役で頑張ります」
トロントに残留の線はほとんどないだろうが、川崎はMLBでの冒険を続けてほしい。

明日も川崎のゲスト解説がある。レギュラー解説者は真打、与田剛。本格派の与田に川崎はどう絡んでいくか。


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