昨日、NPBはプロ野球の統一球問題で関係者への処分として、独断で球の変更を決めたとされる下田邦夫事務局長に降格と職務停止3カ月が科した。下田氏は退職し、井原敦事務局次長が昇格する。
退職する下田氏には退職金が支払われる。加藤氏にも当然、退職金が支払われる。
一連の問題の責任を取って25日付で辞任する加藤良三コミッショナーは処分を受けない。
下田事務局長のほか、井原敦事務局次長も管理責任により厳重注意処分が科される。下田氏は対外的には叱責された形になっているが、実質的にはお咎めなし。自ら辞めた加藤氏ともども、「円満退社」である。
下田氏の退職金が減額されることはないだろう。ひょっとすると「独断専行」の汚名を被った分、増額されるのではないか。
警察官の不祥事などにみられる処遇を思わせる。いかにも日本的。やんごとなき人の汚名を軽減し、中間官僚に詰め腹を切らせる。しかし、世間の批判を一身に被って腹を切る官僚には手厚く配慮をする。麗しき情実人事だ。すべては「お家大事」。体制の維持のため。
昭和の昔であれば、多くの人の共感を得られたであろうが、今となっては「公的組織」としてあるまじき措置だと言うことになろう。
この事件のポイントは、統一球の秘密裡での改変を行ったのは「誰の指示の拠るものか」ということだった。
加藤氏は、統一球の改変は下田氏が「独断で行ったものだ」として「知らなかった」と怒りをあらわにした。下田氏はこれを認め、後に謝罪をしている。
今回の処分は、二人の言動に沿った形で行われた。その点では問題がないともいえるが、NPBという組織は、一中間管理職が重要なものごとを上層部に相談することなく独断で動かすことができるような、いい加減な組織なのか、という印象を与えた点で大いに問題がある。
また、それが事実であるならば、加藤氏は文字通り「お飾り」であり、何ら実行力を有していなかったということに成る。いずれにせよ、ガバナンスの欠如は、明らかである。
私は常々、NPBという組織はもっとしっかりしてほしいと願っている。サッカーに若いファンを取られ、MLBに市場を奪われつつある中、NPBは未来へ向けて何ら建設的な提案ができていない。
それどころか選手年金を破たんさせ、引退した選手の将来を不安にするなど、無責任、無能を世間にさらけ出している。
一部の球団の言いなりになっていると言われるが、その球団も含めて、野球界は時代に取り残されつつあることを考えれば、組織の刷新、ビジネスの見直しは必至だと思われる。
改革派であるパリーグ球団の足並みの乱れを指摘する向きもあるが、少なくとも機構改革は、喫緊の課題だと思えた。


今回の加藤氏をめぐる一連の不祥事は、組織改革への起点とする好機だと思えたが、結局「一中間管理職の独断」に収まってしまった。
第三者委員会の報告書は、追加報告も含めて公開されるとのことだが、それを活かして改革する機運は失われたのではないだろうか。
NPBは自浄能力も、自己革新の能力もないダメな組織だと思われている。世間から嘲笑されていることを自覚すべきである。
下田事務局長は、広島大学を出て共同通信に入り、プロ野球記者として活躍したのちにコミッショナー事務局に入っている。
プロ野球に対する愛情は深いのではないかと思う。
共同通信に復帰するのかもしれないが、ジャーナリストの良心として、思い切って真相を明らかにしてはいかがだろうか。
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一連の問題の責任を取って25日付で辞任する加藤良三コミッショナーは処分を受けない。
下田事務局長のほか、井原敦事務局次長も管理責任により厳重注意処分が科される。下田氏は対外的には叱責された形になっているが、実質的にはお咎めなし。自ら辞めた加藤氏ともども、「円満退社」である。
下田氏の退職金が減額されることはないだろう。ひょっとすると「独断専行」の汚名を被った分、増額されるのではないか。
警察官の不祥事などにみられる処遇を思わせる。いかにも日本的。やんごとなき人の汚名を軽減し、中間官僚に詰め腹を切らせる。しかし、世間の批判を一身に被って腹を切る官僚には手厚く配慮をする。麗しき情実人事だ。すべては「お家大事」。体制の維持のため。
昭和の昔であれば、多くの人の共感を得られたであろうが、今となっては「公的組織」としてあるまじき措置だと言うことになろう。
この事件のポイントは、統一球の秘密裡での改変を行ったのは「誰の指示の拠るものか」ということだった。
加藤氏は、統一球の改変は下田氏が「独断で行ったものだ」として「知らなかった」と怒りをあらわにした。下田氏はこれを認め、後に謝罪をしている。
今回の処分は、二人の言動に沿った形で行われた。その点では問題がないともいえるが、NPBという組織は、一中間管理職が重要なものごとを上層部に相談することなく独断で動かすことができるような、いい加減な組織なのか、という印象を与えた点で大いに問題がある。
また、それが事実であるならば、加藤氏は文字通り「お飾り」であり、何ら実行力を有していなかったということに成る。いずれにせよ、ガバナンスの欠如は、明らかである。
私は常々、NPBという組織はもっとしっかりしてほしいと願っている。サッカーに若いファンを取られ、MLBに市場を奪われつつある中、NPBは未来へ向けて何ら建設的な提案ができていない。
それどころか選手年金を破たんさせ、引退した選手の将来を不安にするなど、無責任、無能を世間にさらけ出している。
一部の球団の言いなりになっていると言われるが、その球団も含めて、野球界は時代に取り残されつつあることを考えれば、組織の刷新、ビジネスの見直しは必至だと思われる。
改革派であるパリーグ球団の足並みの乱れを指摘する向きもあるが、少なくとも機構改革は、喫緊の課題だと思えた。
今回の加藤氏をめぐる一連の不祥事は、組織改革への起点とする好機だと思えたが、結局「一中間管理職の独断」に収まってしまった。
第三者委員会の報告書は、追加報告も含めて公開されるとのことだが、それを活かして改革する機運は失われたのではないだろうか。
NPBは自浄能力も、自己革新の能力もないダメな組織だと思われている。世間から嘲笑されていることを自覚すべきである。
下田事務局長は、広島大学を出て共同通信に入り、プロ野球記者として活躍したのちにコミッショナー事務局に入っている。
プロ野球に対する愛情は深いのではないかと思う。
共同通信に復帰するのかもしれないが、ジャーナリストの良心として、思い切って真相を明らかにしてはいかがだろうか。
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ということは、部下の間で「面倒な案件は、あの人抜きで進めようよ。絡ませるとうるさくてかなわん」というコンセンサスが出来上がっていたと推測できます。こういう事、一般企業でもよくありますよね。
さらに落合いわく「加藤さんは『時間作ってくれ』と会いたがったけど、『時間ない』って断り続けてユニホームを脱いだ。どうせ意見交換しても、実現してくれないですから」とのこと。
つまり、幅広く意見を募って「理解ある民主的リーダー」というポーズはとるけれど、結局は自らの意見は決して曲げない独裁者。あるいは他人からの優れたインプットを取り入れるだけの分析能力がない、と言えるでしょう。
下田氏の独断専行は決して褒められないし容認も出来ませんが、こういった事態を招いたのは、加藤氏の能力・人格の欠陥にあったと、状況証拠的には言わざるを得ません。
翻ってバド・セリグやビリー・ビーンのような球界の優秀なリーダーの場合、事績を読み解く限りでは、殆どの場合彼ら自身が改革へのアイディアの起点となっている。さらに自分が不得手な分野では、専門家を招いてアイディアを出させるのですが、最初からゴール設定が明確であるのがポイントです。
逆に加藤型リーダーは、アイディアは部下に出させるけど、結局それを否定するんですよね。そして自ら出したアイディアは、巨人×阪神戦のアメリカ開催など、トンチンカンなもの。そもそも執務能力に差があったと言わざるを得ません。