2011年、統一球が導入されてからNPBでは空前の数字を挙げる投手が現れた。統一球が微調整された今年になっても、大記録が生まれている。そんな記録の中で、誰が一番すごかったのか、比較してみたい。
200回近く投げてERAが1点台だった投手は3人4回。これにERA2.01だった今年の金子を加えて記録を比較してみる。

2011-13BestPitch


勝利数では今年の田中が圧倒的。

先発登板記録では、QS%は今年の田中が驚異の100%、HQSは2011年の田中が一番だった。

先発投球回数と投球数のデータは興味深い。
先発投手の1回当たりの投球数NP/IPは15球が目安とされるが、田中は14以下。ダルや金子、マエケンよりも明らかに低い。
MLBが田中を高く評価しているのはここだろう。無駄球が少なく、あえて三振を狙わないのだ。
今季の田中は1試合当たりの投球回数IP/Gも7.54と少なく、1試合あたり投球数も105.79だった。MLBの先発投手のような投球をしていたのだ。
金子はほぼ120球を投げている。金子のNP/IPは決して悪い数字ではないが、それでも田中よりは効率が悪い。
2011年のダルビッシュも毎試合120球を投げていた。

被安打率。2011年のダル、田中が上。これは統一球の影響だろうか。
2013年の田中は左打者の被本塁打は1本だけ。

奪三振率は2011年のダルが抜群。SO/BBも2011年の田中が1位。

注目すべきは今季の田中の援護点。実に148。24勝は1試合当たり6点を超える援護があってのことではあった。
ピタゴラス勝率で割り出すと1敗していることになる。

DIPSを見ると、2011年のダル、田中の数字は飛びぬけていたことが分かる。田中は2012年のDIPSも1点台だった。
マエケン、金子はこの中ではやや見劣りする。



2013年の田中は内容的には2011年のダル、田中には及ばない。しかし、今季の田中はパワーピッチだけでなく「勝つ」という最大の目標を達成すべく、効率的な投球をした。
最も評価できるのは「3000球以下で24勝した」と言うことではないだろうか。

金子は3455球と言う投球数から考えて、来季フルで活躍するのは難しいのではないかと考える。


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