ヤクルトの投手陣も見て行こう。今年のこのチームはなぜか投打とも「1点豪華主義」になっている。それではチームは勝てない。
投手成績 2012年との対比 今季は、DIPSの昨年対比を枠外に%でつけた。RCとは逆に100%オーバーの方が成績は下落。えんじ色は規定投球回数以上。

YS-P


トータルでのDIPSの下落は10%程度。ヤクルト投手陣は打撃陣よりはましだったと言えよう。
しかしそれも小川泰弘という新人がいればこその数字である。小川は一人で12の貯金を稼いだが、チームは26の負け越し。
つまり小川抜きでは41勝79敗、勝率.341という体たらくだった。しかし子細に見れば、これは必ずしも他の投手がふがいなかったから、とは言い切れない。

八木亮祐はシーズン通してローテを維持し、小川に次ぐ152回を投げたが、5勝13敗という大負け。これは援護点が3.56と少なかったからだが、QSは12。先発を維持したのは良いが、内容的には合格点とは言えないだろう。

石川雅規は投球回数を減らし、勝ち星も減ったが、内容的には昨年のレベルを維持している。しかし、エースと言える成績ではないのは言うまでもない。6勝はキャリアで2番目に悪い数字だ。

村中は良い年と悪い年が交互にやってくる。今年は裏年だった。

増渕も先発ローテを維持することができなかった。



昨年、盤石のクローザーだったバーネットは今季は別人のように成績が悪化。実はこれが、先発投手陣の勝率を悪化させている一因ではある。
シーズン後半になって昨年のドラ1石山泰稚が、小川に負けじと抑えで活躍したのは明るい話題ではあった。
一昨年のドラ2木谷も8月以降は先発投手として成績を残した。

こうしてみると、投手陣はまだ明るい兆しはありそうだ。今季の小川は「出来過ぎ」の感もあるが、エースとして来季も今年に準ずる成績を上げ、若手がそれに追いつけば、投手陣はペナントレースを戦うことはできるだろう。


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