日本の報道は比較的大きかった。引退から5年が過ぎた野茂英雄がMLBの野球殿堂入り候補に選ばれたのだ。
MLBの野球殿堂入りは、10年以上MLBで活躍した選手の中から、全米野球記者協会(BWAA)で候補が絞られ、エントリーされる。
そして毎年その候補者から75%以上の得票のあった選手が殿堂入りする。記者は最大10人の候補に投票することができる。
エントリー期間は15年間、その間に選ばれなければ殿堂入りの資格を失う。また得票が5%に満たない候補も資格を失う。いわば足切りである。
一度資格を失った選手もベテランズ委員会という別の選考組織で殿堂入りする可能性がかろうじて残る。

今年度の殿堂入り候補

HOF MLB-2013



36人いる。このうち2013Voteに数字がある17人は前年からの持越しである。一番古いジャック・モリスは今回75%に達しなければ資格を失う。

ドン・マッティングリー、アラン・トラメルなどのスター選手も殿堂入りではなかなか苦労しているのがわかる。

数字的には傑出しているのに得票数が上がっていないのが、バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス。言わずと知れた「薬物疑惑」のある選手だ。
マーク・マグワイア、ラファエロ・パルメイロ、サミー・ソーサなども同じグループと言えよう。



彼らは、エントリーこそされたが、75%には程遠い。過去には最多安打記録保持者のピート・ローズが賭博などの不祥事で殿堂入りを逃しているが、薬物疑惑を持つ選手には厳しい評価が下されている。
この中では、最終年のモリス、クレイグ・ビジオ、そして野茂英雄の相方マイク・ピアッツァが有望だ。

さて19人の新規エントリー。
なるほど、と思う顔ぶれもいるが、この選手はなぜ選ばれたのか?というのも混じっている。

ポール・ロデューカは捕手。捕手はピアッツァの例でも分かるように打撃成績に加えて守備面での貢献も考慮されるからエントリーされたのだろうが、同時期であればマイク・リーバーサルとか、チャールズ・ジョンソンとか同じクラスの捕手はたくさんいる。

ジャック・ジョーンズはわずか1272安打。外野手だし、守備面で優れていたという話も聞かない。
リッチ―・セクソンはイチローのチームメイト。イチローいじめの先頭に立ったと報道されたこともある打者だが、1286安打だ。
投手でいえばマイク・ティムリンあたりも、なぜエントリーされたのかと思う。

年によって引退する選手の実績がまちまちなために、大甘のエントリーもあるのだ。だから、この殿堂候補入り自体は、それほど大きな意味があるとは言えない。
「?」と思える選手はあらかた1年目の得票数が5%に満たず、すぐに消えていく泡まつ候補なのだ。
反対にマダックス、グラビン、フランク・トーマスなどは1年目での殿堂入りもあり得ると考えられている。

とはいっても候補にエントリーされなければ殿堂入りの可能性は「0」なのだから、それは良かったとは言えよう。
「新規エントリー選手の中で野茂の勝星は5番目」という報道もあったが、率直に言って数字だけなら野茂も泡まつ候補の内だ。ノーヒットノーラン2回も大記録というほどではない。数字だけなら1年目で消えてもおかしくない。

投票資格のあるBWAAのメンバーが、野茂にジャッキー・ロビンソンのような「特別の事情」を勘案してくれるのなら、可能性は出て来よう。ただ1年で殿堂入りすることはまずないだろう。

注目は来年1月8日の投票結果発表。ここで5%以下なら万事休すだが、30%程度の良い数字を挙げれば今後伸びていく可能性はあろう。


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