日本シリーズでは写真に納まっていたが、加藤良三氏がコミッショナーだったのがはるか遠い昔だったような気がしてくる。
加藤氏が退任後、NPBのコミッショナーの後任人事はセパで意見が分かれたために難航。
オーナー会議議長のオリックス、宮内義彦オーナーがコミッショナー代行になった。

セリーグは元東京地検特捜部長の熊崎勝彦コミッショナー顧問を推している。
すでに紹介したが、この人は来年1月には72歳になる。
最高検察庁の検事、公安部長などを歴任。9年前に退官して弁護士になっている。
テレビで良く見る顔であり、吉本興業の顧問でもある。
セリーグが推している、ということは本人が「コミッショナーになっても良い」と意思表示をしているのだろう。

法曹家でもあり、良識を持った人であるのは間違いないだろうが、これまでのコミッショナーと同じタイプだ。
ポスティングの問題や、国際化など多難な課題を先頭を切って解決するタイプではないのは間違いがない。

先日物故した根来泰周氏、加藤良三氏は就任時にはともに意欲だけは持っており、球界再編問題や統一球導入などに取り組んだのだ。
しかしNPB自体が、「コミッショナーが具体的に動く」ことを想定した組織ではなく、手足となる人材がいなかった。
また高級官僚ならではの実務能力の欠如、無能もあって、無残な失敗に終わった。
この二代、コミッショナーは辞任と言うより「クビになった」と言う方が正しいように思われる。
熊崎氏がお利口さんならば「何もしないで座っている」のではないかと思う。



一方、パリーグは複数の候補者を提示した。名前が挙がっているのはコスモ石油名誉会長の岡部敬一郎氏(81歳)、荒木重雄NPB特別参与(50歳)など。

岡部氏は京大の野球部出身であり、事業家としてもプロ野球の改革に一家言があると言われる。
荒木氏は外資系の企業を経て2005年に千葉ロッテマリーンズの企画広報部長に就任。ロッテの観客動員を引き上げた。PLMの設立に参加し取締役、さらに今年からNPBの特別参与として侍ジャパンを担当している。

岡部氏は意欲的なのかもしれないが、日本人男性の平均寿命を超えており、今から何かを託すのは不適切な感じがする。老人は、こらえ性がないし、細かいことにまで気が付くとは思えない。そもそも機構を根っ子から変えるような改革ができる体力はないだろう。

荒木氏はすでにNPBの事業化に参画しており、それなりの手腕を発揮している。スポーツマーケティングの専門家であり、先日、台湾にパリーグの試合のニュース映像を提供する契約をまとめたPLMの根岸友喜執行役員などとともに、NPBの改革が期待できる人材ではあろう。

たまたまある人から「荒木さんはロッテに招聘された時に『広い役員室を用意しろ』と言った」とか「地域のファンとの連携には熱心ではなかった」といううわさも聞いた。
率直に言って上昇志向の強い人だろうし、敵も多いのかもしれない。
しかし、そうしたアクの強さは蛮勇を振るって改革できる手腕の裏返しなのかもしれない。
コミッショナーは誰からも好かれる好人物を据えて事足る役職ではない。

10月頃はパリーグは岡部氏でまとまると報じられたが、最近は荒木氏で一本化とも言われた。
しかし11月のオーナー会議では決まらなかった。越年の可能性が強まった。

数日前、また老人が口を開いた。報知新聞から

巨人の渡辺恒雄会長は26日、東京都内で取材に応じ、次期コミッショナー人事について「もう8球団は意思疎通ができている」と一部球団を除いて方針が固まりつつあるとの認識を示した。
 コミッショナーの後任人事をめぐってはセ、パ両リーグで意見が対立。22日のオーナー会議で、セは元東京地検特捜部長の熊崎勝彦コミッショナー顧問を推したが、まとまらなかった。渡辺会長は「セとパで分かれているんじゃない。パが割れている」と話した。
 後任決定の時期について「だいたい成り行きは分かっている。心配なく、1月には決まるだろう。(コミッショナー代行でオーナー会議議長の)宮内さんがまとめようと思えば、年内に決まる」との考えを明らかにした。


他紙は「いや9球団かな」とも言ったとなっている。
渡邉氏は、次のコミッショナーも自分が決めることになる、と自慢しているのである。自分がまだNPBにこれだけ影響力があるのだ、とひけらかしているのだ。

猿山のボス猿が、山のてっぺんでときおり吠えて「俺は今も一番だ!群れを動かしているのだ!」と言っているようなものだ。
プロ野球を取り巻く情勢とか、PLMがやっているようなスポーツビジネスなどは、このお猿さんにはわからないのだろう。

熊崎氏がコミッショナーになると言うのは「基本線は何も変わらない」ことを意味している。
NPBには今後も多難な事態が待ち受けている。熊崎コミッショナーも、顔がひきつるような辞め方をするのではないだろうか。奇特な方だと思う。


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