来季のヤンキースの「意志」が感じられて、ショックだった。ボストンからエルズベリーがやってくるのだ。
ジャコビー・エルズベリーは、ボストン・レッドソックスの生え抜きである。2005年1順目でボストンに入団。
僅か2年でMLBに昇格。3年目にはレギュラーになり盗塁王を取った。
前年、2位で入団したダスティン・ペドロイアの背中を追いかけるように出世した。
デビュー当初は細身で非力。しかし、ペドロイアとともにフルスイングが売りで、とにかく一生懸命バットを振り、思い切り走る選手だった。そのハッスルぶりが、ボストンの新しいカラーになったとさえ思えた。
この時期、イチローとは「足」のライバルだった。
2008年、イチローは43盗塁4盗塁死、エルズベリーは50盗塁11盗塁死。盗塁の質ではイチローが上だった。
しかしエルズベリーは翌2009年には70盗塁。足ではリーグ一の選手に。
翌年、ろっ骨を骨折する大けがを負って、1年を棒に振る。
復帰した2011年には突如大当たりをして、32本塁打。この年はペドロイアも21本塁打している。
2012年には肩を亜脱臼して戦線離脱。2013年は復活し、3度目の盗塁王を取った。
率直に言って、イチローは勝ち目がない。肩だけは今もイチローの方が上だろうが、守備範囲の広さでもイチローを上回っているだろう。
今季のヤンキースの外野陣。
イチローは最多出場しているが、ガードナーより出塁数は少なく盗塁も少ない。
ガードナー、ソリアーノは来季まで契約が残っている。グランダーソンを引き留めることに成功すれば、イチローのレギュラーの座は危ういと思われたが、エルズベリーの加入でイチローのスタメン落ちは決定的になった。
これでグランダーソンの他球団移籍も決定的なのではないか。
ヤンキースはエルズベリーと7年総額1.53億ドルで契約。ボストンはチームの顔であるフランチャイズプレイヤーを失った。
今のイチローがエルズベリーなどのライバルにまさっているのは唯一「怪我をしない」という部分だけだ。来季40歳になるが、その強靭さは驚異的だ。
しかし、ライバルの故障にそなえて控えに甘んじると言う選択肢はMLBにはないと思う。
なんとしてもポストシーズンに進出したいヤンキースは、イチローを「使わない」と意思表示をしたのだ。
「ヤンキース愛」にこだわる必要はないだろう。契約は1年残っているが、トレードに応じて活躍の機会を求めるべきではないか。
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飽和状態の外野陣は誰か一人は弾かれるのは確実。
大補強中のヤンキースですが、
先発2枚にブルペン、2塁3塁と未解決多すぎ。
かつての強さはありません。
エルズベリーとキャラがかぶる、イチローとガードナー。
しかし、”トレードで売れる方”はガードナーでしょうね。
残念ですが、今のイチローに650万ドルの価値を見出すのはキツイ。
ジラルディの手堅い方針から消去法でバックアップはイチローになる気がします。