少しくどいと思いながら、たばともさんデータも交えて各ポジションの守備データを比較したのは、最終的にこういうことがしたかったからだ。
各球団のポジション別のPO(刺殺)A(補殺)数を一覧で見てみる。内野、外野別の総計も入れた。

NPB-Fieldeing


NPBの12球団は144試合を消化する、延長戦やコールドゲーム等のばらつきはあるが、ほぼ同じイニング数を消化する。イニング数というのはアウトの集積だ。そしてアウト数と野手が処理した数はほぼ一致する(三振も捕手の刺殺にカウントされる)。
だから、チームごとの総守備機会数には大きな差はない。その多寡にもさして意味はない。
そのアウトを内外野のどちらで処理したかということだ。

セリーグ、巨人が内野処理数は最大。その分、外野での処理数は最少に。外野処理は中日が最大。
パリーグ、内野処理数はオリックスが最大、外野処理数はロッテが最大。ロッテは外野で1012もの刺殺と補殺を記録している。1試合当たり7つ強。5つ強の巨人とは大きく違う。
しかしロッテは内野処理数は12球団最少。極端に少ない。

私はロッテの外野陣を12球団一と評価したが、この表を見ると、単に風の強いQVCマリンフィールドは「外野に飛球が良く飛ぶ」ということなのかもしれないと思えてくる。あるいは、内野がなかなかアウトにしないから、外野でのアウトが増えているとも解釈できる。



守備成績は、野手個々のスキルに加え、他の野手との兼ね合い、投手の投球の傾向、球場の大きさ、風などに大きく左右される。UZRなどのデータも出てはいるが、数値化は一筋縄ではいかないという感じだ。

今日のコメントを見ると西武の中島裕之の穴が埋まっていないという記述に対して、「いや、中島自身が穴だった」という反論をいただいている。印象としては腰高でグラブさばきも良くない中島は「穴」とは思うが、数値で見れば昨年の中島はRFGが断トツに広い遊撃手だった。
守備の上手い下手と、チームへの貢献は別物なのか、とも思えてくる。

長々と取り上げてきた。個別には面白いことがいろいろわかったが、結論としては「守備は数値化が難しい」ということになりそうだ。また次の機会に違う角度で取り上げたい。

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