盗塁と言うSTATSはあまり流行らない。昔は柴田勲、福本豊などスピードスターがもてはやされたが、今は「今年の盗塁王って誰だっけ?」という感じだ。
盗塁は、オフェンスの一部だが、打撃とは根本的に考え方が違っている。バッテリーの隙をついて次の塁を奪うために必要なのは、観察力や敏捷性、そして脚力だ。

打撃も脚力があった方が有利だが、その一点を除けば違う資質が求められているとも言えよう。

野球が面白いのは、一つの競技の中に全く違う資質を求められるプレーがいくつも組み合わされているからだと思う。盗塁の資質もそのひとつなのだ。

NPBの今年の“韋駄天”たちを見て行こう。

盗塁企図数(盗塁SB+盗塁死CS)が10以上の選手の盗塁率ランキング。SB-CSは「走塁収支」。SB/PAは1打席当たりの盗塁。
セリーグ

idaten-NPB-CL


NPBで盗塁が流行らない理由は、NPBのバッテリーが高度な盗塁阻止技術を駆使していることも大きい。MLBと比べても盗塁阻止率は高いのだ。

盗塁王は広島の丸だったが、失敗が15もあったので盗塁収支は14。成功率の高さで見ると、坂本勇人と上田剛史の方が上なのは明らかだ。
坂本は右打者だが俊足で、盗塁成功率がきわめて高い。守備範囲の広さと言い、最も身体能力の高い野手と言っても良いのではないか。

もう一つ注目すべきは、鈴木尚広。セイバーメトリクスの一つ、Spdを使うと、鈴木はNPB史上一番脚力のある選手と言うことになる。今年も代走専門だが、SB/PAは驚異的。巨人はもっと彼を活用すべきだったと思う。

パリーグ

idaten-NPB-PL




盗塁率は中島卓也が1位。盗塁王の陽岱鋼の盗塁率も悪くない。日本ハムの選手は盗塁の技術が高いと言えよう。ロッテにも走り屋が揃ってる。

盗塁成功率が8割を超える選手はもっと走ればよいのにと思う。

ヘルマンは40盗塁だが20盗塁死。あまり率が良いとは言えない。盗塁成功率や収支を見ないと、脚力の真価はわからないように思う。


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Classic Stats



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