さて、MLBでの単打ランキングも見ておこう。
MLBは野球のスタイルが大きく変わった。20世紀初頭までは長打とは二塁打、三塁打を打つ打者のことであり、単打がオフェンス面に占める割合は高かった。
しかし1920年にベーブ・ルースがブレークしてからは本塁打者を強打者と呼ぶようになった。
単打を多く打つ選手の重要性は相対的に下がった。しかいそんな時代も「安打製造機」は存在した。
そういう前提でランキングを見ていただきたい。

通算単打数50傑。SGHが単打。SGH%は安打数に占める単打の割合。*は今季の現役。

SGH-MLBTOTAL00


NPB同様最多安打者のローズが最多単打、カッブが2位だが、以下にはいわゆる安打製造機が並ぶ。
またNPB同様、寿命が延びた近年の選手も目につく。
現役最多はジーター、そしてイチローが2位。
イチローは22位。NPBでも926単打しているので、日米通算ではローズ、カッブに続く3000単打、みたいな言い回しも可能だが無意味だ。

日本の単打者に近いイメージは、オマー・ビスケルやロビン・ヨーントあたりか。

1000単打以上の選手は493人いるが、これらの打者のSGH%のランキング。

SGH-MLBTOTAL





トップは懐かしやモーリー・ウィリス。韋駄天ぶりは日本にも聞こえた。倅のバンプが阪急に入ったが、遊び人みたいで活躍しなかった。

2位のパッツィ・ドノバンは1890年から1907年まで活躍。3位のウィリー・キーラーも1892年から1910年まで活躍。ルース以前の選手だ。

現役ではホアン・ピエールが9位に、イチローは26位だ。
イチローのすぐ上にいるネリー・フォックスも「短距離打者」として鳴らした選手だ。

ちなみに1000単打以上の打者でSGH%が一番低いのはバリー・ボンズの.509、続いてデビッド・オルティーズの.521、3位がカルロス・デルガドの.522、4位がベーブ・ルースの.528。

今も短距離打者はいるが、率直に言って「流行らない」のは事実だろう。

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