捕手日照りは、今に始まったことではない。良い捕手はいつも払底している。それだけに正捕手を人的補償で持って行かれたDeNAは、フロントへの非難は避けられないところだろう。
2005年以降の横浜、DeNAの捕手陣の成績。A%は補殺/試合数。捕手の指標にはいろいろあるが、敏捷性を見るデータとして参考までにつけた。

DeNCatcher


2002年に楽しげ元信が中日に移籍して、相川亮二が正捕手の座に座ったのは2003年。
以後、攻守で安定感のある捕手として活躍した。特に打撃は.250をクリアでき、下位打線では貴重な存在だった。
相川の次の捕手は鶴岡一成。この捕手も打撃が良かった。

しかし2008年、相川が海外FA権を取得して海外移籍をめざし、不調に終わるもヤクルトに移籍。
鶴岡もトレードで巨人に移籍した。二人も打撃の良い捕手を手放したのだ。この当時の横浜も相当暗愚だったと言っていいだろう。



この背景には武山真吾の成長と、早稲田から細山田が入ることもあったかもしれない。
しかし、2009年は正捕手が定まらずに苦労した。
細山田はリードはともかく、打撃はきわめて貧弱。武山も特定の投手の時に起用されたが、正位置は獲得できなかった。

2010年、2011年と武山、細山田が交互に最多出場したが、捕手としての能力は低かった。

2012年に鶴岡一成がFA権を行使してDeNAに復帰。入れ替わりに武山が西武へトレード移籍。
2013年も鶴岡が正位置に。打撃面でも守備面でも大黒柱だったのだが。

こうして見て行くと、この球団はベテラン、中堅捕手をいとも簡単に放出していることが分かる。

捕手はなかなか育成が難しい上に怪我が多い。一番手、二番手にしっかりした捕手を確保するのはチーム作りの基本だと思えるのだが。

DeNAは久保康友を獲得したが、いったい誰が受けるのだろうか。亜細亜大学から嶺井博希という捕手をドラフト3位で獲得したが、彼が即戦力なのだろうか。

横浜からDeNAと看板は変わったが、暗愚の系譜は引き継がれているようだ。

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