今年、NPBでは史上1位記録が一つ塗り替えられるかもしれない。谷繁元信が、野村克也の出場試合記録にあと117まで迫っているのだ。
NPBの出場試合数20傑。えんじ色は現役。

Catcher-NPB-Game


野村克也は史上唯一3000試合出場を果たしている。野村本人もこれを誇りにしているというコメントをしたことがある。南海ホークスを追われてからなお3年現役にこだわった一つの理由が試合出場記録だったとも聞く。

26年かけて積み上げた3017と言う記録を、同じく実働26年目の谷繁が塗り替えようとしている。
確かにそのこと自体は偉業だとは思う。
しかし2013年の谷繁は、130試合に出て379打数82安打。規定打席にはわずかに届かなかったが打撃ランキングの最下位に相当する数字だ。

打者としての谷繁は、春先は調子が良いが、シーズン終盤には全く打てなくなる。トータルで見れば、チームに貢献しているとは言えない。
また盗塁阻止率は.174、規定試合数以上の捕手で最下位だ。

もちろんリード面など捕手谷繁にはまだまだ活躍の余地はあるだろうが、むりに117試合出場を目指すのは禁物だ。
谷繁は今季からプレイング・マネージャーになる。野村克也も南海の最後の8シーズンは兼任監督だったが、調子が悪くても自分を4番捕手から下ろすことをせず、批判を浴びた。
谷繁はその轍を踏まないでほしい。
もっとも落合博満GMという怖い“上司”がいるから、その心配は無用だろうが。

「捕手谷繁」の出場機会を奪うような若手捕手が出てこないと、「監督谷繁」としては、困るはずだ。2年かけて117試合に出場しても良いのではないか。



NPBの出場試合数20傑を見ると、捕手が1,2位を含め、3人も入っている。

MLBと比較すると、ずいぶん違うことがわかる。
MLBの出場試合数20傑。

Catcher-MLB-Game


ピート・ローズ以下3000試合出場は8人いる。しかし20位以内には捕手はいない。ようやく45位にイヴァン・ロドリゲスが顔を出すだけだ。

投手に次ぐ激務と言われる捕手は、3~4試合に1試合程度は休むものとされている。そんな中で出場試合数を積み上げるのはほとんど不可能なのだ。

NPBでは、捕手は休まず出続ける。
この伝統を作ったのは野村克也だと思う。そういう意味では谷繁はまさに後継者だ。現役捕手で谷繁に続くのは阿部慎之助の1630試合、次いで相川亮二の1344試合。

谷繁が野村の記録を破れば、これもまたアンタッチャブルになるのではないか。

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