デイリースポーツにこんな発言が掲載された。
DeNAの中畑清監督(60)が、26日、新潟市内でトークショーを行い、FAの人的補償で阪神に移籍した鶴岡一成捕手(36)について言及。「穴と考えていない。チャンスと考える」と訴えた。
 小雪の降る新潟で、300人のファンを前に熱弁を振るう。「鶴岡は阪神が取ってくれました。みんな心配していると思うけど…」と切り出した。
 「投手陣をまとめてくれて、精神的に安定させてくれた。打撃もブレークした」
まずは称賛の言葉。しかし、ここから一気の手のひら返しだ。
 「キャッチャーは守備力。彼がどれだけパスボールをしたか、知ってますか?ほとんどピッチャーのせいにしていましたけど」
(中略)このあと、自軍の捕手陣の名前を上げて賞賛した上で
笑いを誘いながら、正捕手流出を気にもとめていなかった。


鶴岡のパスボールは昨年5つ。これは、阿部慎之助、谷繁元信とならぶリーグ最多。捕手出場試合数は鶴岡が一番少ないから、ワーストと言えるが、それほど多いわけではない。毎年、レギュラー捕手はこれくらいのパスボールは記録している(ちなみにパリーグは楽天の嶋が10を記録)。

中畑監督はジョークのつもりで言ったのかもしれないが、誠に残念な発言だ。
すでに何度か紹介したとおり、鶴岡は打撃面でDeNA随一の捕手だったし、リード面でもチームを引っ張った。押しも押されもせぬ正捕手だった。
彼が阪神へ移籍したのは、本人が希望したわけではなく、フロントの失策だ。阪神から移籍する久保康友の人的補償の際に、鶴岡をプロテクトし忘れたのだ。



阪神には、正捕手藤井、日高と30代半ばの1軍クラスの捕手が2人もいる。DeNAは「まさか鶴岡を取ったりするまい」とたかをくくって、他の選手をプロテクトしていたのだ。
しかし阪神は、DeNAの裏を掻いて鶴岡を指名した。

鶴岡にしたところで今季もDeNAで頑張るつもりが、こういう結果になって驚いたはずだ。ましてや移籍先の阪神の方が、捕手の競争は厳しいのだ。DeNAフロントの失態を恨みがましく思っているのではないか。

言わば無能なフロントの“被害者”となって出ていく正捕手に対して、中畑清の言葉は情けないものだった。
「鶴岡がいなくたってうちは大丈夫」と言いたかったのだろうが、鶴岡の欠点を指摘しただけでなく、性格まで悪しざまに言ってしまった。

この発言が一般の人々を前にしたリップサービスであるのはわかっている。客受けを狙っての発言ではあろう。しかし、誰も幸せにしないトークだった。

この発言を聞いた聴衆は、決して愉快ではなかっただろう。ついこの間まで部下だった選手を悪しざまに言う中畑清に不快感を持ったはずだ。当然、この記事を読んだ鶴岡はやりきれない気分になったことだろう。そして、鶴岡の後釜の正捕手候補のDeNA捕手陣も、「明日は我が身」と感じたはずだ。

スポーツ新聞は、プロ野球関係者を絶対に非難しない。
「笑いを誘いながら、正捕手流出を気にもとめていなかった」と、ポジティブに締めくくっている。しかし、本当にそう思ったのなら、この記者も人格的に問題があるかもしれない。

中畑清は現役時代から「絶好調!」など景気の良い発言で人気があった。
しかし落ち目になった王貞治監督を「ワン公」と呼ぶなど、不用意な発言でも知られていた。基本的に「強い方につく」性格のようで、今回の発言も球団経営陣に阿ったものと考えられなくもない。いずれにせよ、洒落にならない。

この発言を聞いて、私は鶴岡一成を応援したくなった。今季は自慢の打撃だけでなく、守備面でも頑張ってほしい。
特に「絶対パスボールをしないぞ」という気概を見せてほしい。


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