それほどたくさん見たわけではないが、NPBのキャンプは何度か行ったことがある。
なかなか楽しいものだ。シーズン中はグランドの中だけに野球選手がいるが、キャンプではグランドにもその周囲にも、ブルペンなどの練習施設にも野球選手がいる。
ザックザックとスパイクの音をさせながら、選手が移動するのを見れば、いい年をしてちょっと胸がドキドキしたりする。
キャンプは「プロ野球のテーマパーク」みたいな感じだ。

Camp


Camp2


キャンプが毎年2月1日に始まるのは、野球協約の173条(別項)で「球団または選手は、毎年12月1日から翌年1月31日までの期間においては、いかなる野球試合または合同練習あるいは野球指導も行うことは出来ない」
と定められているからだ。
プロ野球選手は「1年を10か月で暮らすいい男」なのだ。
昔は、それを真に受けて、年末年始の2か月間、不摂生を重ねてでっぷりと太った体でキャンプインする選手もいたように思う。
しかし、最近はそういう選手は少ないようだ。筋力トレーニングやストレッチなどで鍛え上げた体でキャンプインし、初日からブルペンで投げたり、軽快な守備を見せたりする。選手の意識は変わったなと思う。

昔のキャンプは選手を鍛えなおして試合ができるレベルまでコンディションを上げていくものだったが、最近はすでに体が出来上がった選手たちの品定めをしてローテーションやポジション、オーダーを決めていくことが主眼になっているようだ。

そのためにはできるだけ実戦が多い方が良いと思えるのだが、オープン戦は2月16日から。
半月以上もトレーニングの期間が設けられている。これはかなり長いように思う。
今やコンディションは個々人の責任で仕上げてくる時代になりつつあるのだから。キャンプは1週間くらいで切り上げて、オープン戦をやってはどうか。
それまでに調子が上がらない選手は、ふるいにかければよいのだ。

MLBの場合、キャンプは2月半ばから始まる。そして10日後の2月25日にはエキシビション・ゲームが始まる。

MLBのキャンプは「誰が使えるか?」を見極めるのが主眼だ。
主力選手の多くは複数年契約であり、起用するポジションなども契約で決まっている場合が多い。キャンプでは残りのポジション、そしてリザーブで使う選手を見定めていくのだ。
この時期のアクティブロースターにはマイナーの若手選手がたくさん入っている。これに「キャンプ招待選手」が混じって、数少ないポジションを争うのだ。
毎日のように「マイナー行き」「契約解除」「FA」などでキャンプ地を離れる選手が出る。文字通りサバイバルゲーム。家族的な団結、チームワークの醸成を目指すNPBのキャンプとは似て非なるものだ。

この時期、私はMLB各球団の公式サイトのロースターのコーナーから目が離せなくなる。
Active Roster、40Man Roster、そしてNon Roster Inviteesという3つのステイタスでキャンプに参加している選手の誰が生き残り、誰が消えていくのか、気が気ではないからだ。
特に川崎宗則、渡辺俊介、松坂大輔ら招待選手の動静が気にかかる。
米のキャンプに行くのは現実的ではないが、これもキャンプの楽しみ方だろう。

キャンプの時期が始まれば、当サイトではNPB、MLB42球団のプレビューも用意しなければならない。シーズン中以上に各種の情報に耳をそばだてなければならない。

そういう意味では、誰に頼まれているわけでもないけれども、当サイトもキャンプインをするようなものなのだ。


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