NPBの公式サイトは2005年からの二軍の成績を一軍と同じ項目で公表している。ほとんど注目されていないようだが、私は注視している。
日本のマイナーは一層しかない。育成制度や三軍を持っている球団もあるが、リーグ戦はイースタン、ウェスタンの二つしかない。
MLBでは、どんな有望選手もマイナーの各層で少なくとも1年は揉まれてからメジャーに昇格するが、NPBでは新人の「開幕一軍」も珍しくない。
一流選手は、マイナーでの成績が全くないか、ほんの少ししかないままに一軍に上がる。
だから二軍で好成績を上げることが、一軍昇格の材料になることはあまりない。
その結果として「二軍の大選手」みたいな存在ができてくることになる。
こういう選手は素質は誰しもが認めながら、一軍で結果を残せない選手だ。

2005年~2013年のNPB二軍のシーズンRCの100傑を作ってみた。

Farm-01


ファームは年間100~110試合前後消化する。一軍よりは数字は少し小さくなる。
トップは2010年湘南(横浜の二軍)の北篤。この選手はNPB史上最も短い名前の選手の一人だが、内野外野をほぼこなすものの1軍では22試合8安打0本塁打1打点.222に過ぎない。
2位の杉谷は最多安打、三塁打。1軍でも2年で108試合に出ているが、レギュラーにはなっていない。
そして3位が2009年の中田翔、30本塁打はイースタンリーグ最多、95打点は最多タイだ。

以下、見て行くと中田翔のように、一軍に昇格して活躍している顔も散見されるが、二軍でしか名前を見ない選手も多い。

2005年以降の二軍通算RCのベスト20.

Farm-02




ここ9シーズンに限ればファーム最強打者は楽天の小斉祐輔ということになる。通算打率も3割を超えている。

kosai


続いて後藤武敏。松坂大輔のチームメイトだったが、レギュラーに定着せずベテランの域に達している。
以下でレギュラーになったのは角中勝也。無印からスタートして二軍で成績を上げて一軍定着、首位打者も獲得した。

この顔ぶれで分かるのは、毎年のように「今年こそレギュラー獲得か」と言われる選手が多いということ。
一度はスタメン、それも上位打線や中軸を任されたことがある選手も多い。

1軍では力が発揮できなかったり、守備に難があったり、今一歩のところで一軍で活躍できない選手が多い。
また、ノンブランドの選手も多く、ポジションを獲得しても有名新人や外国人にその座を奪われることも多い。
そういう意味では苦労人のリストとでもいうべきか。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!



クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。 坂崎一彦、全本塁打&対投手別本塁打数

Classic Stats



『「記憶」より「記録」に残る男 長嶋茂雄 』上梓しました。





「読む野球-9回勝負- NO.2」私も書いております。




広尾晃 野球記録の本、アマゾンでも販売しています。