ではNPBは今、どんな経営状況にあるのだろうか。まず、親会社の状況を見て行こう。
球団の経営体制

親会社とその売上高、資本関係について見て行こう 2012年

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連結とは親会社の財務諸表に掲載される子会社。持ち株比率が高く、親会社の支配が強い。感覚的には親会社の「一部門」と言っても良いかもしれない。
企業としての自由度は低く、親会社の意向を反映して事業を推進する。

非連結子会社は一般的に連結子会社よりも自由度が高いが、その分、経営的な自立を求められる。

阪神タイガースの親会社は実際は阪神電鉄(売上1700億円)だが、実質的には阪神阪急ホールディングスの傘下になっている。

広島東洋カープは親会社がない。自動車メーカーマツダの創業家が球団を経営しているが、創業家は自動車メーカーから離れている。資本関係はなく、完全独立採算である。広島は絶対に資本金を割り込むような赤字は出せない。
MLBではほぼすべての球団がこのスタイルだ。



ソフトバンクは球団を運営する会社と、チケットやグッズを売る会社を分けている。メーカーと販社を分ける発想か。

日本ハムは、実質的には親会社はない。ゼネラルパートナーとは、メインスポンサーのことだ。
いわばネーミングライツでお金をもらっているような感覚。
この球団にはその他にグランドパートナーとして株式会社札幌ドーム、株式会社北海道新聞社、株式会社北洋銀行、株式会社北海道銀行、北海道電力株式会社、北海道ガス株式会社、ホクレン農業協同組合連合会、サッポロビール株式会社、札幌商工会議所が名を連ねている。
独立リーグの球団がやっているように、地域との連携を強め、経営体質を強化している。

セパ両リーグを比較してみると、パリーグ球団の親会社の方が経営規模が大きいことがわかる。グループ年商3兆円を超すソフトバンクにとって、ホークスは微々たる存在だ。

DeNAや楽天などのIT系企業はメーカー系とは違い、設備投資や仕入れなどが不要なソフトビジネスが中心なので、利益ベースで見れば売上1兆円企業と大差はない。
ただIT業過は不沈が激しい。特にゲーム業界のDeNAの経営体質は不安定だと言えよう。

新聞、電鉄など古くからプロ球団を所有してきた企業は、成熟産業であり、収益性がだんだん悪くなってきている。体質改善がなかなかできない業界でもある。日本でも最も古臭い体質を持つ企業だといっても良い。

特に中日は、親会社の経営規模も小さく、成長性も乏しいところから球団の保有がかなり厳しくなっているのではないかと思われる。

この一覧を見る限り、成長性を感じさせる企業はソフトバンク、楽天くらいである。
率直に言って、明るい展望はあまり持てない。

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