改革の決め手は、何といってもコミッショナーである。
野球協約最新版によると、現在のコミッショナーの仕事は、大きく4つ。

1.オーナー会議、実行委員会及び両連盟の理事会において決定された事項の執行。
2.協約又はこの協約に基づく規程に反する事実に対する制裁。
3. 日本選手権シリーズ試合及びオールスター試合の管理。
4.関係団体等の紛争の調停。

ここから見えてくるのは、コミッショナーの仕事は、NPBの運営ではなく「利害の調整」に限定されているということだ。

リーグ戦の主催、運営や放映権ビジネス、マーケティングにはコミッショナーは一切タッチしない。個別の球団と取引先企業とのトラブルなどにも関与できない。
要するに「金儲けにはタッチしない」ことになっているのだ。
前回紹介したように、NPBは協業することでスケールメリットが生まれる業務の多くを、12球団が個別で行っている。
こうしたビジネスを統合して、NPB管理下で一括して行うべきである。
一般社団法人日本野球機構でこうした商業行為を直接行うのは、そぐわないと思われるので、NPB機構の下に株式会社を設置すべきだろう。この会社では国際的なビジネスも統括することとする。
この企業には12球団が共同で出資する。CEOは、コミッショナー事務局のNo.2が兼務する。各球団からはスタッフが出向する。

また、戦力均衡を図る上でも、リクルーティングに関わる業務も、NPB管理下で行うべきだ。新人獲得については、スカウトやアマチュア野球関係者との間で暴力団の関与や裏金など黒いうわさが絶えないが、こうしたものを一掃するためにも、NPB管理下に選手獲得を一括して管理する機構が必要だろう。



すでにNPBでは選手のステイタスを管理する業務(支配下登録、自由契約、FAなど)を行っているが、さらにルール5ドラフト的な仕組みも導入すべきだろう。

ペナントレースの運営、管理については従来通り個々の球団に委ねるべきだが、観客動員数の発表は、NPBで統括すべきではないか。

コミッショナーを頂点とするNPBは、こういう形に変更すべきだと思う。

NPBKaikaku01


NPBKaikaku02


PLMは発展的解消。

こういう組織体になれば、機構の長たるコミッショナーには法曹関係者や官僚上がりではなく、ビジネス手腕のある人物が就任することになるだろう。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!



クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。 本塁打大全スタート!

Classic Stats



『「記憶」より「記録」に残る男 長嶋茂雄 』上梓しました。





「読む野球-9回勝負- NO.2」私も書いております。




広尾晃 野球記録の本、アマゾンでも販売しています。