Jリーグは来季から3部制52球団になる。
「無茶だ」と批判も強いが、マーケットを拡大すると言う点では、エクスパンションは正しい選択肢だ。
「チームは増えても観客動員は増えていないじゃないか」
「選手の平均年俸は下がり続けている」
など、批判の声は喧しいが、それは当たり前のことを言っているに過ぎない。チーム数が増えてすぐに観客動員が増え、儲かるのならだれも苦労はしない。
MLBのエクスパンションも同様だが、拡張 →新規球団の苦戦 →既成球団へのキャッチアップ →パイの拡大というサイクルをたどるのだ。

それにしてもJリーグがすごいと思うのは「優秀な人材が必死に努力して、ようやくたどり着ける地点」を目標に設定して、それを実現してきたことだ。
世間の非難を浴びながらも地歩を固め、陣地を広げてきた。まさにJリーグは「事業」をしている。

93年に10球団でスタートしたJリーグが2014年には52球団になる。ずっと12球団のままのNPBは何とも思わないのだろうか。

さて、私はNPBはまず、フランチャイズを見直すべきだと思っている。
NPBはプロ野球地域保護権というものを設定している。このエリアではプロ野球の興行権は該当球団が独占する。いわゆるフランチャイズ権である。
各球団のエリアと人口、観客動員を並べてみる。観客動員をフランチャイズで割った数字を動員率として算出した。

NPB-FC


一見してフランチャイズは有名無実であることが分かる。ヤクルトは東京地区での独占興行権を巨人とともに保有しているが、保護地域の1割しか動員できていない。巨人の半分以下である。DeNAは神奈川県の15.8%である。オリックスは大阪府の16.3%しか獲得していない。

この表の動員率の数字に大きな意味はないが、一つの目安にはなろう。
フランチャイズを設定するなら、少なくとも保護地域の人口の40%は獲得できることを想定してフランチャイズを見直すべきではないか。

また、東京、大阪という大都市圏は、周辺の府県をも巻き込んで一体化している。
人口が多くとも、複数の球団が併存できるとは限らない。
そういう観点を加味して、リーグのフランチャイズを見直すべきだろう。
その上で、球団数を増やしたい。
また、私は以前からポストシーズンの展開を考えても、3リーグ(3地区)制が望ましいと考えている。
一足飛びではあるが、それやこれやを加味した新NPB構想。

NPB-EREA




大都市圏は人口は多いが、プロ野球チームへのロイヤリティは低い。他のエンタテインメントも多い。人口だけでフランチャイズを集中させる必要はない。
むしろ、地域に根付いて観客動員を目指す方向性だと思う。

ここに書いていない府県は、各球団の入会地として、観客の獲得を目指せばいいのだ。
ただ、試合興行はそのエリア内に限定すべきだ。
今のように巨人が岐阜で試合をしたり、阪神が沖縄で試合をしたりしては、保護地域を設定した意味がない。

球団が自立した企業として観客を動員する。地道な営業活動を進める。地域のスポンサーを細かく集める。そしてその上でナショナルブランドの企業のスポンサードを受ける。

なお、球団名から企業名をはずすのが本寸法だとは思うが、一足飛びには無理だとすれば、地域名+企業名にすべきだと思う。

もしこれが実現すれば、Jリーグとは完全に競合関係になろう。観客、地域スポンサーの争奪戦があるだろう。
また、こうなれば球団の多くは独立採算制になるのではないか。

あくまで一例ではあるが、いかがだろうか。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!



クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。 ジョージ・アルトマン、本塁打全記録

Classic Stats



『「記憶」より「記録」に残る男 長嶋茂雄 』上梓しました。





「読む野球-9回勝負- NO.2」私も書いております。




広尾晃 野球記録の本、アマゾンでも販売しています。