マイナーリーグの存在意義は「育成」「選別」「マーケット」ということになろうか。
「育成」とは、文字通りドラフトなどで獲得した選手を育成することだ。選手は練習だけでなく実戦を経て成長する。
「選別」とは、マイナーの試合を通じてトップリーグで通用するかどうかを判断することを言う。より多くの試合を経ることで、選別の精度は上がる。
「マーケット」とは、チーム事情などによって上で活躍していない選手、埋もれているが将来性のある選手などを球団同士がトレードし合うための「ショーケース」という意味だ。

さらにマイナーリーグは、プロ野球界全体にとっては、「野球ファンのすそ野を広げる」ための「フロントショップ」でもある。

NPBのマイナーリーグ=ファームは、残念ながら上記のすべての機能を十全には満たしていない。
ドラフト上位で獲得した有名選手は、ファームを経ずに1軍に上がる。ファームの選手の多くは、レギュラーになることなくキャリアを終える。
また、若い選手のトレードも活発ではない。
さらに、ファームの観客動員は200人から700人程度。独立リーグよりも少ないくらいで、すそ野を広げる役割をしているとは思えない。

こうした現状を打破し、本当の意味で「プロ野球のすそ野」にするために、マイナーリーグを新たに創設することとしたい。

新マイナーリーグの球団は原則として
 ・1万人程度の本拠地球場を持つこと(複数も可)
 ・その球場の指定管理者になること
 ・市単位でのフランチャイズチームであること
 ・球団として単独での採算を目指すこと
 ・1球団の保有選手は25人とする

とする。

また、マイナーリーグを統括するマネージメント会社として、マイナーベースボールリーグ機構を設立。これをNPBの下部組織とする。

さらに、選手はプロ契約だけでなく、アマチュア選手の参加も認める。

できるだけ参入障壁を下げるとともに、損益分岐点も下げるために、マイナー球団は以下の3つの形態を設ける。

 カテゴリーA
 NPBの各球団の連結子会社 選手は最大15人まで親会社から出向させることができる
 カテゴリーB
 地域で設立されたプロ球団。独立リーグの球団が母体。
 カテゴリーC
 アマチュア選手を中心とした地域球団。選手の大部分は無給(経費程度)

カテゴリーCには、大学や企業などのチームが参入することも可。

カテゴリーAの球団が当然強くなるだろうが、移籍の流動性を高めることで戦力均衡を図る。

今のアメリカのマイナーリーグは、すべてMLB傘下のチームからなっているが、少し前までは独立系のチームもあった。運営は難しいだろうが、まずはこういう形ですそ野を広げたい。

あくまでイメージだが、こんな感じ球団名の横の数字はフランチャイズ都市の人口。30万人を目安にした。
30球団。なお女子プロ野球もこの中に組み入れることとするので34球団。

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球団は「都市名」を名乗ることにしたので、独立リーグ系のチームは一部名前が変わっている。

当然ながらマイナーリーグとしてのオールスターやチャンピオンシップも行う。

企業としての収益性を求めることで、地道なマーケティングやマネージメントを身に着ける人材も生まれよう。
その関連でこの本、面白い

ひと夏の冒険 (シリーズ・ザ・スポーツノンフィクション)
Minor-02


また、トレード市場を活発にする。MLBのルール5ドラフト的な形態で、マイナーリーグに所属する選手を、NPB球団が獲得する。ただしプロ契約選手のみ。

アマチュア選手はドラフト指名を受けないとプロ契約できないことにするが、マイナーリーグでプロ選手とプレーをすることで、具体的な実力を図ることができる。

もちろん、実現可能かどうかは議論の余地はあるが、一つの仮説として提示したい。

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