先日紹介した各球団の収支の表をもう一度見ていただく。
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率直に言って、この表では経営の実態は何もわからない。
ただ、苦しそうだと言うことはうかかえるが。
観客動員数に比例して売り上げはほぼ大きくなってはいるが、132万人のヤクルトが60億円で、159万人の広島が117億円。

また、年俸総額は対売上比で20%以下、経費を差し引いてもほとんどの球団で黒字になってしかるべきだが、半数以上が赤字。
なぜなのか?

一つは、売り上げを水増ししているのだと思われる。
粉飾という意味ではなくて、小さすぎるとみっともないと言うことで、親会社からのスポンサー費や、ライセンスグッズの売り上げなどを球団の売り上げに計上しているのではないか。
支出の中にはライセンスグッズの仕入れなども入っているに違いない。

球団運営の支出には、選手年俸、球場使用料に加えて、150人~200人ほどいる社員(非正規雇用も含む)の人件費、試合の運営費、広告宣伝費などがある。

諸々のことを勘案すると、現行のNPB球団の経営モデルはこんな感じではないか。

NPB-Now


スポンサー収入の中のかなりの部分は、実質的に親会社からの支援だと思われる。また、前述のようにライセンス収入も実質的には多くはないはずだ。
率直に言って、今の収益体質では、球団はオーバーサイズだと思う。



私が考えたエクスパンション構想でのNPB球団の経営モデル。

球団の保有選手数は80人から40人に減少する。それ以外の選手は傘下のマイナー球団に所属する(一部年俸の負担がある場合も想定)。また球団職員は70人程度とする。

広告宣伝費は、これまで球団で個別に行っていたが、全国的な告知はNPBが統括して行うこととする(応分の費用を球団が負担)。ただし、試合運営費は変わらないものとする。

また地方球場を想定するので観客動員は150万人、1試合2万人で考える。
先日紹介したようにNPB球団はチケット収入とローカルスポンサーの営業を行い、放映権、スポンサー費、ライセンス収入はNPBからの分配とする。

NPB-New


75億円の売り上げに対して支出は70億円。年俸は若干減少、人件費は削減。
また広告宣伝費は一括仕入れによるスケールメリットによって圧縮される。
さらに、ライセンス関連や放映権関連で発生していたと思われる諸経費も大幅に圧縮される。

あくまで模式図ではあるが、ダウンサイズしても健全経営になるのではないか。

まさに絵に描いた餅ではあるが、NPBと各球団がナショナルマーケットとローカルマーケットでの役割分担を明確にするとともに、どんぶり勘定でなくしっかりした経営をすることで自立した経営が成り立つと考える。

さらにマイナー球団についてもこんな経営モデルを作ってみた。

NPBF-New


経営規模は8分の一だが、NPBの支援を受けることで、がんばれば運営できるのではないだろうか。


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