開幕の日に、不機嫌そうなブログで恐縮だが、各球団の戦力比較をしていて、私は「NPB球団のいくつかは嫌々球団を経営しているのではないか」と思うようになった。
今季のNPN各球団の移籍状況。新人、新外国人を除く。
赤はFA移籍 青はその人的補償、青緑はポスティングによる海外移籍、オレンジはMLBから復帰した日本人選手、紫はトレード、その他の移籍

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スージー鈴木さんによれば、小関順二氏は、「2014年版プロ野球問題だらけの12球団」で、巨人とソフトバンクに共通するのは“恥の意識”の欠如である。と書いたとのこと。

僭越ながら「よくぞ書いたり」。

確かに両球団は、他球団の主力級を“大人買い”した。他の球団は年俸が高騰した主力選手が巨人、ソフトバンクに引き抜かれるのを指をくわえて見ているだけである。

同時に私が思うのは、残りの球団も「恥を知れ」ということだ。
今年、主力選手を引き抜かれて、何とかしなければと戦力補強に走ったのはオリックスだけだ。
他の球団は穴が開いたら空きっぱなしである。
FAによる人的補償は「百貫の形に編み笠一つ」の類であって、補強とは言わない。

せめてINとOUTの均衡を取るくらいの努力はすべきだろう。

特にセリーグの阪神、中日、ヤクルト、広島は、ストーブに当たりながら安楽椅子で寝ていていたのかと言いたい。

もちろん、補強は選手の異動だけではない。ドラフトによる新人獲得や新外国人獲得も補強ではある。

しかしドラフトは“定期採用”であり、ルーティンの新旧交代だ。また近年の新外国人の多くは、日本のレギュラー野手より安く、その分期待も大きくない。「外国人枠」の枠内で顔ぶれを交代させるだけだ(今年の新外国人については近々比較するが)。

シーズンオフは、選手にとっては文字通りオフであって、オーバーホールをし、ゴルフや釣り三昧に明け暮れるシーズンである。
しかしフロント、編成にとっては、オフはストーブリーグという本番ではないのか。各球団で、抜いた、抜かれたの丁々発止を演じて、次のシーズンに向けてフレッシュで期待感を抱かせるラインナップを整えるのが彼らの役割ではないのか?

昨日見たように、球団によっては厳しいフランチャイズビジネスを強いられている。
会社にとっては、年俸は抑制すべきものではあろうが、投資なくして成長はあり得ない。
そして、各球団がオフの間も競り合って補強をしなければ、戦力均衡は絶対に実現しない。

選手や現場のスタッフは一生懸命だろうが、オフに何もしない球団の経営陣は球団経営に熱意があるのか疑わしい。

広島のように財布の中をちら見しながら細々経営している球団もあるが、諸事情はあるにせよ、新しいシーズンにファンをわくわくさせるような「商品」を並べられない球団は、手を引く方が良いと思う。



飲食業などでもそうだが、やる気がない店は客にすぐばれる。
観客動員が伸び悩むのは、そうした「やる気のなさ」がファンにも伝わっているからではないかと思う。


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