黒田からマウンドを引き継いだ田中。似たタイプと言われるが、違いも見えて興味深い。
4回、4番のギャレット・ジョーンズから。

20140328


力強い4シームを見せて、スプリッターで空振り三振を3つ。フロリダはナショナルリーグでも最も弱いチームとされるが、打線に迫力はない。

5回、一転スライダーで打ち取る。変化はダルビッシュのものほど大きくはないが、変化が急な感じがする。球種が多いので、打者は見てしまう。4シームを投げた後にひときわ効果的。ソラーノに安打を打たれたが他は凡退。
昨年までの僚友マギーは甘く入ったスライダーを打ちそこなう。ベンチへ退くときに笑顔を交わし合う。

6回、捕手がマッキャンからセルべりに代わる。前回の相棒もセルべりだったが、この捕手は田中を「軟投派」だと思っているようだ。
とにかく変化球を投げさせたがる。スライダーの後のスプリッター、カーブの後のカッターなど、あまり効果がない。ベイカーに安打を打たれた後、3者を退けたがかわすような投球が気になった。

7回、回の間に話し合いをしたのかもしれない。速球系を主体とする組み立てに代わった。三者凡退。

8回、やや制球がぶれて球数が嵩んだが、三者凡退。ボール3になっても歩かせる気遣いはない。

9回、スタントンの代打アングルがバントヒット、ダッブス3球三振の後、サルタラの二ゴロをヌニェスが弾いて初めて2人の走者を背負う。
しかし全く動じず2者をゴロで打ち取る。こういうときに低めに投げることができるのが田中の良いところだ。

6回を87球、3被安打四球無し。言うことなし。
黒田がシンカーを柱としてスプリッター、スライダーで抑えるパターンなのに対し、田中は4シームが柱だが、カッターなどの動く速球もある。そして決め球はスプリッター。球種が多彩で決め球も多い印象だ。

スプリングトレーニングは5試合21回を投げて15被安打3与四球1被本塁打26奪三振自責点5。ERA2.14、WHIP0.86。
奪三振数が多すぎるきらいがあるが、期待を裏切らない素晴らしいトレーニングだった。

公式戦の初登板は現地4月4日のトロント・ブルージェイズ戦、相手投手は昨年救援投手で0勝0敗だったダスティン・マゴーワン。


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