日本人野手はどこに行くのか?考えさせられるニュースをもう一つ。元阪神、日本ハムの坪井智哉は4月1日米独立リーグのアトランティック・リーグ、ランカスターと基本契約に合意した。
坪井と言えばNPBファンにとっては、もう過去の人になっていた。2011年を最後に試合に出ていなかったからだ。
しかし彼のキャリアは以後も伸びていた。

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グレー地は米独立リーグでの成績。

ゲイリー・サウスショア・レイルキャッツ、サン・ラファエル・パシフィックス、リオグランデ・バレー・ホワイトウイングス、エディンバーグ・ロードランナーズ。
聞いたこともないチーム名が並ぶ。

これらは北米に約10ある独立リーグに所属する球団だ。MLB機構の傘下にはなく、独立採算で興行を行っている。
昔はMLB球団に所属しない独立系の球団も、米マイナーリーグに参戦することが許されたが、今ではマイナーリーグの球団はすべてMLB球団の傘下に入った。
独立系の球団はすべて独立リーグに所属することになった。

独立リーグは経営が不安定であり、球団やリーグ全体が消滅することもある。

しかし、独立リーグからMLB入りする選手も毎年少数ながらいる。MLBにとっては、独立リーグは人材供給源の一つなのだ。
独立リーグの選手は毎年、MLB機構のロースターからあぶれた選手で構成される。4月になってようやく今季の陣容が整うのだ。

坪井もおそらくは独立リーグからMLB入りと言う期待を抱いてプレーをしているはずだ。
40歳になるが、「一度はMLBの試合に出てみたい」と思っているのだろう。

中島裕之の例で見てもわかる通り、MLBはNPBをもはや野手の供給源とは見ていない。
優秀なほんの一握りの投手を獲得することしか考えていないはずだ。

日本の多くの野球選手はイチローや松井秀喜のようにMLBで活躍することを夢見ている。坪井はイチローや松井とNPBで同時代を生きただけに、その思いは強いのだろう。

しかしMLBは日本人野手への門戸を閉ざそうとしている。
打撃や守備の考え方が、NPBとMLBでは違い過ぎ、NPB育ちの野手は一握りの例外を除いて通用しないのだ。
NPBの野手の「ガラパゴス化」が、国際化の大きなネックになっている。

また9年と言う海外FAまでの年限の長さが、全盛期でのMLB移籍を阻んでいる。

野手でMLBを目指すなら、加藤豪将のように早い段階でMLB流の野球を身に着ける必要がある。

このことを見ても、NPBとMLBはもっと柔軟に提携すべきではないかと思う。新しい関係を構築すべきだ。

「鎖国」はもはやできないはずだ。
日本の選手たちは、MLBの野球と言う「新天地」を知ってしまったのだから。


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