関西から徳島へ行くルートは、昔はフェリーや空路(YS-11)もあったが、今ではバスが最も早い。
鳴門海峡を越えたあたりから、フロントガラスに水滴が付き始めた。
昨日は徳島で四国アイランドリーグPlusの開幕戦があった。徳島県の降水確率は60%、気温は10度。厳しい開幕戦になると思われた。

JAバンク蔵本球場に着いた時には、しとしと雨、プレス受付から徳島の坂口裕昭代表を呼んでいただく。
開幕戦を控えたあわただしい中、挨拶をさせていただいた。スーツ姿の坂口社長は、きびきびと受け答えをしてプレスルームにご案内いただいた。インタビューは後日、改めてさせていただくこととする。

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プレスルームからは、金網越しにシートノックが見える。試合を見るだけなら、この席がベストだろうが、私は試合だけでなくIBLJの「運営」や、「ファン」もつぶさに見たい。
折り畳みのカサを持って、スタンドに座った。

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雨は強くもならず、かといって止むこともなく、降り続いている。
そんな中でオープニングセレモニーがはじまった。

ゆるキャラと大学生、子どもの踊り、

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国歌斉唱、飯泉嘉門徳島県知事による挨拶、始球式。

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飯泉知事は「選手全員がNPBを目指せ」と言った。
雨は降り続き、客足も伸びない。

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球場の外周に鮮やかに咲いている桜が雨にぼやける中、試合は始まった。
先発は徳島が入野貴大、香川が寺田哲也。ともに独立リーグ2球団目。NPB経験はない。

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球速表示はないが、ともに速球は140km/h前後か。寺田の方がやや速いのではないか。
入野は球の切れが良いように思えた。

香川の1番は尾中博俊。昨年までAAAに在籍。当サイトでも追いかけていた選手だ。香川には元横浜の大原淳也がいる。徳島にはNPB出身者はいない。

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試合は2回、香川の4番宗雪将司の安打を皮切りに3安打で2点を先取。宗雪は柔らかい打撃フォームで球をとらえるのが上手い。

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3回には1死から尾中が二塁打で出塁、生田目が死球、ここで香川ベンチから徳島投手入野に厳しいヤジが飛ぶ。これに委縮したか宗雪にまた安打を打たれ、暴投を連続して2点が入る。

香川の寺田は雨にもかかわらず冷静な投球が光ったが、4回、2番鷲谷が遊ゴロ失策で出塁、二死後、安打に捕手の悪送球が絡んで2点が入った。そろそろ野球をするには厳しい状況に。続く徳島6番酒井はパンチショットのような振りでバックスクリーン横にソロ本塁打を叩き込む。

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少し前までIBLJで本塁打を見るのは稀だったが、パワーもついてきた。

5回裏、香川、寺田は四球、二塁内野安打、暴投などで同点に追いつかれる。
選手の吐く息が白い。二塁付近には水たまりができつつある。
耐え難いほどの寒さを感じた刹那、審判が試合中断を宣言。

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20分後に「ゲーム」が宣せられた。

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雨の中だったが、失策や四球は少なく、きびきびとした試合だった。10年前と比べれば、チームは相当引き締まっているように思えた。

背広姿の坂口代表は、試合前から忙しく立ち働いていた。
飯泉知事のキャッチボールの相手をしたり、グランドに出た子どもたちを出口へ誘導したり、試合が中断すると香川の監督や審判団と何度も協議をしていた。

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そして、試合後は選手とともに入口に並んでお客を見送った。頭から靴の先までぐっしょり濡れそぼっていたが、坂口代表は意気軒昂だった。

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年に数試合とはいえ、私はIBLJを10年間見続けてきた。大体わかっているつもりだったが、こうして一歩踏み込んで見てみると、全く違うものも見えてきた。

四国アイランドリーグPlusの「今」と「未来」にますます興味を抱くようになった。


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