土曜日、四国アイランドリーグPlusの開幕戦はもう1試合あった。松山坊っちゃんスタジアムの愛媛マンダリンパイレーツ、福岡ソフトバンクホークス(3軍)戦だ。
しかし、松山の試合は雨で流れ、順延。結局、私は開幕戦を2つとも見ることができた。
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受付で、愛媛マンダリンパイレーツの田室和紀取締役にご挨拶。球団運営に関する興味深い話をお聞きしたが、それは稿を改めたい。

開幕のセレモニーは、愛媛県の放送局5社の女子アナによる始球式。

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今日も非常に寒い。

愛媛の監督は今季から弓岡敬二郎。いかにも阪急の選手らしいしぶとい二番打者だった。

ソフトバンク三軍の監督は水上善雄。
「解説者」の本にも書いたが、私はこの人の水谷豊ばりのソフトで品の良い解説が大好きだった。
水上監督は、愛媛の選手が紹介されるたびに一人だけ拍手を送っていた。

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しかも、愛媛のマスコットの名前が聞き取れなかったらしくコーチ陣に一生懸命聞いている。
なんて丁寧な人だ。ベンチで紅茶を淹れているのではないか。

愛媛と福岡の試合は交流戦だが、IBLJ側はこれを公式戦に組み入れている。

田室取締役によれば、ソフトバンクとの交流戦は、観客動員が多いわけではないそうだ。また遠征の顔ぶれは戦力的にやや落ちることが多いとのこと。

しかし今日は、大物が先発した。大隣憲司。難病の黄色靭帯骨化症から昨年終末に復帰した。おそらく復帰へ向けた最終調整なのだろう。
私にとっては2012年11月、福岡でWBCの壮行試合のキューバ戦での先発登板を見て以来だ。

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捕手はかつての横浜の一軍捕手の細山田武史。彼も天国と地獄を見ている。

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愛媛の先発は小林憲幸。元ロッテ。今や、IBLJを代表する先発右腕。私は快投を以前にも見ている。

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好投手が揃って先発したことで、投手戦になった。

大隣は最速138km/hと全盛期よりかなり遅かったが、タイミングをずらす投球は健在。球にキレもある。経験が浅い愛媛の選手はほとんど歯が立たない。

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3回に愛媛の7番坂口がこの日唯一のいい当たりの二塁打を打ち、犠打で三進した後に1番高田が変化球の曲り際をうまくすくい上げて中前へ。
1点を奪われた。
しかしこれでエンジンがかかったか、以後3イニングは失策の走者を1人出しただけで打者をほとんど寄せ付けなかった。格が違うという感じ。
大隣は6回を投げて2被安打自責点1。ベンチに引き揚げるときに笑顔がもれた。

片や小林は最速143km/hの速球を主体にスプリッターを交えて力強い投球。背番号が三桁のソフトバンク三軍選手は全く歯が立たなかった。こちらも格が違う感じがした。
また愛媛の外野手は再三、大飛球を好捕した。寒いなか、引き締まった好試合になった。

大隣が6回で降板し、加治屋蓮が上がる。これも大物。昨年のドラ1だ。最速145km/hの伸びのある速球。

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愛媛の打線は歯が立たないかと思われたが、さにあらず。
9回、3番藤長の安打を足がかりに満塁の好機を作り、押し出しでサヨナラ。
スタンドは大喜びだ。
加治屋はプレッシャーに潰された感じ。見ている方も緊張した。

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こういう好試合が続けば、お客は来るだろう。有料入場者数は1525人。

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私は、独立リーグで、ストライクが全く入らず立ち往生したシーンや、エラー連発で「金返せ」とやじられたシーンを何度も見ている。
それを思えば隔世の感がある。
IBLJは、三軍とはいえ、NPBと互角の好勝負を演じるまでに進化しているのだ。

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