黒田は過去タンパベイ・レイズ戦では5試合で2勝3敗。ERA7.36。本塁打を8本打たれている。嫌らしい打者が並ぶ難敵。イチローは9番ライト。
レイズはヘリクソン、ムーア、コブと3人の先発投手がDL入り。もう終わった投手と言う感のある左腕、エリック・ベダードがマウンドに上がった。

Kuroda20140418


1回表の攻撃はジーターの安打が出たが得点なし。

1回裏、立ち上がり、制球が定まらない。シンカーも他の球も指のかかりが悪い。しかし、相手打者が打ち損じてくれて三者凡退。ジョイスの当たりはジーターが二塁近くで処理した。
これで良いのだ。どんな形であれ、初回失点しなければ、黒田は調子に乗るはずだ。

果たして、ベダードはヤンキース下位打線につかまり4失点。イチローの絶妙のバントはチャレンジの挙句安打になる。
ベダードはマリナーズ時代にはずいぶん期待されたが、良かったことがない。城島との相性も悪かった。

2回裏、ロンゴリアに棒球を安打されるが、低めの変化球で併殺。結果的に三者凡退。カーブが有効だ。

MLBの球場では、「ヘイヘイヘーイヘイ」という変な掛け声がよく聞こえるが、あれは全米共通なのか。

3回裏、黒田の制球は安定してきた。インコースにずばっと決めるシンカーを主審ウェストは取ってくれない。そのために先頭を歩かせたが、それではと、その球を見せ球にして少し中のコースに投げてエスコバーを併殺に切って取る。ソラーテ、ジーターの二遊間は実にすばらしい。

4回表、ベダードが二死を取ったところで降板。失策も出て締まりのない試合になりつつある。右腕ボックスバーガーが上がる。

4回裏、2順目の頭。デヘスースは10球ねばって中飛。追い込んでからの決め球に迷っている感じ。ゾブリストも3ボールからセンターへ大飛球、エルズベリーが好捕。
しかしジョイスをフルカウントで歩かせ、ロンゴリアには三塁サイズモアのグラブをはじく安打。ロニーは左中間を破る二塁打。
結局、決め球がないことで打者がカウントを取りに行く球に狙いを定めている。マイヤーズの当たりは二塁走者ロニーがジーターの守備を妨害するようなそぶりをしたこともあって内野安打になる。フォーサイスは三ゴロ。実にこの回だけで35球。すでに67球。

5回表、三者凡退。シンカーが右打者内角の良いところに決まりだした。早打ちにも助けられている。75球。

6回表、上位打線。再び乱れる。
ゾブリストを打ち取った後ジョイスは追い込むも左前打。シンカー以外に頼る球が無くなっている。ロンゴリアは外角のこの球をきれいに合わせて右前に。ロスチャイルドコーチがやってくる。
ロニーも打ち取るのに苦労をするが、中飛に。しかしマイヤーズは渾身の150km/hを左前に運ばれる。ジョイスが帰ってくる。降板。99球。

スプリッター、スライダーが使えなかった。本当に調子が悪かったのだろう。
それでも勝ち投手の権利を得た。後続はフェルプスが抑えた。

ヤンキースはその後追加点をしたが、救援のフェルプス、ソーントン、ウォーレン、カブラルが失点。特にカブラルは8回裏に3死球の大乱調の挙句に危険球で退場。
黒田の3勝目はならなかった。

これほど制球が悪い黒田は見たことがない。
調子が悪くても試合を作ったことが、せめてもの救いだったと言えよう。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!


島村俊治アナの「解説者論」

好評発売中。アマゾンでも!





クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。 ロジャー・レポーズ|本塁打大全

Classic Stats



『「記憶」より「記録」に残る男 長嶋茂雄 』上梓しました。






広尾晃 野球記録の本、アマゾンでも販売しています。