中村紀洋が二軍落ちした。中畑監督は「懲罰的降格」と明言した。この性格は引退するまで治らないのだろう。
状況ははっきりしている。
中村のFacebookによれば、「打席に入っているとき、走者を場面によっては動かさず、打撃に集中させてほしいとコーチに相談させてもらいました」とのことだ。
これで叱責を受けて、「相談するという行為が『批判』と映ったならば寂しいことですし、どうモチベーションを保つべきか苦悩してます」と書いた。
自分の主張が通らなかったのでやる気が無くなったと言っているのだ。
中畑清監督は「チーム方針に従わない言動があった。(抹消は)懲罰的な部分がある」とし、試合前のミーティングで選手に説明。「意思統一させてスタートする」と話した。
どう考えても非は中村にある。選手の判断よりもチームオーダーが優先するのは、団体スポーツの常道だ。
もちろん、大選手が「顔」で自己都合を優先させる例は枚挙にいとまはないだろう。
チーム、監督との力関係によっては、そういうことも起こりうる。
実力の世界だから、それでも結果を残せば「あり」になる。
しかし、中村紀洋は、主力打者の一人とはいっても、大黒柱的な選手ではない。
どちらかと言えば下り坂で、チーム事情の中でいろいろな役割をしなければならない立場である。
にも関わらず、彼は「特別待遇」を要求したのだ。
これは初めてではない。2012年8月15日の阪神戦で、自身の打席の際に盗塁した内村賢介を「俺が打つときになんで動くんや」と叱り、ペナルティーとして懲罰降格させられた。
内村は前月に楽天から藤田一也とのトレードでやってきたばかりだ。中村がチーム内にそういう「しばり」をかけていたことに気が付かなかったのだろう。
首脳陣はおそらく、こうした中村の「自称番長」振りを苦々しく思っていたのだろう。
戦力的には大きいが、チームワークを醸成する上ではマイナスも大きいと思っていたと思われる。
中村紀洋は、ずっとこういう話が付きまとっていた。
ロサンゼルス・ドジャースでも球団や指導者との関係がぎくしゃくしていたし、帰国後のオリックスでももめ続けた。
オリックスを自由契約になった後、中日の落合監督(当時)に拾われ、復帰を果たしたが、その後も楽天、DeNAと移籍を繰り返した。
彼の言動から見えるのは「自分のスタイルを崩したくない」という強い意志だ。意地と言っても良いかもしれない。
そのこと自体は悪い事とは思えないが、いい年をして周囲の状況や、自分が置かれている立場を理解せずに「唯我独尊」を通そうとすれば、こうした軋轢が常に生まれる。
プロ野球界は名門高校、大学、社会人などの派閥がものをいう世界だ。球団やリーグを超えた上下関係やヒエラルキーがある。
大阪の公立高校から近鉄バファローズに入った、中村紀洋はそうした派閥とは無縁だった。それだけに反発があるのだとも思われる。
私もプロ野球界のそういう派閥や見えない上下関係は大嫌いだ。おかしな金の動きや密約は、そうしたネットワークなくして語れない。クリアにすべきだとは思っている。
しかし、中村紀洋が、そうした“学閥”“体制”に反発して、こういうことをしているとは思えない。関西弁でいうなら“そんなええもんと違う”。
彼は関西でいう“ヤンキーの乗り”で、突っ張っているのだと思う。
関西には、「禁煙」の看板の下でわざわざ煙草を喫ってみせる兄ちゃんや、「車で来るな」と書いてある成人式にシャコタンで押しかける新成人がいる。
そういう規制に従うことは「負けたことになる」と信じて疑わないのだ。
ヤンキー、または“やから”は、関西ではどこにでも見かけることができる。
そのちょっといじけたツッパリぶりは、中村紀にそっくりだ。
中村紀洋は、厳しい関門を越えないと入ることができないプロ野球界で、“ヤンキー”そのままの性分を保持したまま20年以上もやってきた稀有な存在なのだろう。
彼は、野球のマネジメントや世の中の常識は一通り弁えているとは思うが、自分は「別格」だと思っているのだ。恐らくその思いがモチベーションになっている。
40を過ぎて、これではもう厳しいだろう。指導者の道も難しいのではないか。
そろそろ潮時ではないかと思う。
中村紀は、引退してお好み焼き屋さんをやれば、繁盛すると思う。そこでファンに「俺の考え」を思い切り披瀝すればいいのではないか。
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中村のFacebookによれば、「打席に入っているとき、走者を場面によっては動かさず、打撃に集中させてほしいとコーチに相談させてもらいました」とのことだ。
これで叱責を受けて、「相談するという行為が『批判』と映ったならば寂しいことですし、どうモチベーションを保つべきか苦悩してます」と書いた。
自分の主張が通らなかったのでやる気が無くなったと言っているのだ。
中畑清監督は「チーム方針に従わない言動があった。(抹消は)懲罰的な部分がある」とし、試合前のミーティングで選手に説明。「意思統一させてスタートする」と話した。
どう考えても非は中村にある。選手の判断よりもチームオーダーが優先するのは、団体スポーツの常道だ。
もちろん、大選手が「顔」で自己都合を優先させる例は枚挙にいとまはないだろう。
チーム、監督との力関係によっては、そういうことも起こりうる。
実力の世界だから、それでも結果を残せば「あり」になる。
しかし、中村紀洋は、主力打者の一人とはいっても、大黒柱的な選手ではない。
どちらかと言えば下り坂で、チーム事情の中でいろいろな役割をしなければならない立場である。
にも関わらず、彼は「特別待遇」を要求したのだ。
これは初めてではない。2012年8月15日の阪神戦で、自身の打席の際に盗塁した内村賢介を「俺が打つときになんで動くんや」と叱り、ペナルティーとして懲罰降格させられた。
内村は前月に楽天から藤田一也とのトレードでやってきたばかりだ。中村がチーム内にそういう「しばり」をかけていたことに気が付かなかったのだろう。
首脳陣はおそらく、こうした中村の「自称番長」振りを苦々しく思っていたのだろう。
戦力的には大きいが、チームワークを醸成する上ではマイナスも大きいと思っていたと思われる。
中村紀洋は、ずっとこういう話が付きまとっていた。
ロサンゼルス・ドジャースでも球団や指導者との関係がぎくしゃくしていたし、帰国後のオリックスでももめ続けた。
オリックスを自由契約になった後、中日の落合監督(当時)に拾われ、復帰を果たしたが、その後も楽天、DeNAと移籍を繰り返した。
彼の言動から見えるのは「自分のスタイルを崩したくない」という強い意志だ。意地と言っても良いかもしれない。
そのこと自体は悪い事とは思えないが、いい年をして周囲の状況や、自分が置かれている立場を理解せずに「唯我独尊」を通そうとすれば、こうした軋轢が常に生まれる。
プロ野球界は名門高校、大学、社会人などの派閥がものをいう世界だ。球団やリーグを超えた上下関係やヒエラルキーがある。
大阪の公立高校から近鉄バファローズに入った、中村紀洋はそうした派閥とは無縁だった。それだけに反発があるのだとも思われる。
私もプロ野球界のそういう派閥や見えない上下関係は大嫌いだ。おかしな金の動きや密約は、そうしたネットワークなくして語れない。クリアにすべきだとは思っている。
しかし、中村紀洋が、そうした“学閥”“体制”に反発して、こういうことをしているとは思えない。関西弁でいうなら“そんなええもんと違う”。
彼は関西でいう“ヤンキーの乗り”で、突っ張っているのだと思う。
関西には、「禁煙」の看板の下でわざわざ煙草を喫ってみせる兄ちゃんや、「車で来るな」と書いてある成人式にシャコタンで押しかける新成人がいる。
そういう規制に従うことは「負けたことになる」と信じて疑わないのだ。
ヤンキー、または“やから”は、関西ではどこにでも見かけることができる。
そのちょっといじけたツッパリぶりは、中村紀にそっくりだ。
中村紀洋は、厳しい関門を越えないと入ることができないプロ野球界で、“ヤンキー”そのままの性分を保持したまま20年以上もやってきた稀有な存在なのだろう。
彼は、野球のマネジメントや世の中の常識は一通り弁えているとは思うが、自分は「別格」だと思っているのだ。恐らくその思いがモチベーションになっている。
40を過ぎて、これではもう厳しいだろう。指導者の道も難しいのではないか。
そろそろ潮時ではないかと思う。
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投手とギリギリの勝負をしてるんですから打席に集中したい人は多いですよ