オークランドの面々は「初球をできるだけ見逃せ」という指示を受けていたのかもしれない。投球の秘密を暴くような執拗な攻撃の前に、田中は1失点ながら6回で降板せざるを得なかった。
ヤンキースはアスレチックスに連敗。いずれも先発投手が勝ち投手の権利を得てから逆転されている。

20140605


1回表、クリスプはフルカウントから捕邪飛。しかしジェイソは外へ逃げるはずのシンカーが真中へ入って一発を喰らう。
ドナルドソン、モスの二人は凡退したが11球を費やした。

2回表、13球で三者凡退。
2回裏、先発ポメランツからソリアーノがタイムリー、同点に追いついてくれる。

3回表、10球で三者凡退。スライダーが有効だ。
3回裏、ガードナーの出会いがしら的な一発が出る。

4回表、二死からモス、セスぺデスが連打。ここでロウリーは9球粘って三振。実に26球を投げさせた。67球。

5回表、ボワトは実に10球粘って中前打。カヤスポ、ソガードは8球で二死。しかしクリスプが歩く。ジェイソは遊飛。早くも93球。

6回表、ドナルドソン三振、モス右前打。しかしセスぺデス、ロウリーが凡退。

ここまでで104球。降板せざるを得なかった。

オークランドは、スプリッターを徹底的に見極めた。恐らく「タナカのスプリッターは見逃せばボールになることが多い」という情報も共有されていたのだろう。
スプリッターの空振りは5つ。見逃しストライクが2つ、ファウルが8つ、安打が2、ゴロアウトが3つ、フライアウトが1つ。ボールが実に12。
田中のマネーピッチ、スプリッターを徹底的に研究していたのだろう。
恐ろしい相手だった。

試合は8回に守備から出たイチローの好捕もあってヤンキースが逃げ切った。
田中よりも内容が良かった黒田に星が付かず、田中に星が付く。
このあたり、田中将大は「持っている」ということになろう。

ERAは2.02、連続QSは12に伸びた。

0605


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