長文をいただいた。まるごと紹介する。
■ larnさん
私の一番好きな現役選手です。待ってましたとばかりにコメントしようかと思いましたが、好きなだけに少し推敲しておりました。その間にコメントが伸びるかと思いましたが・・・あまり伸びていませんね。 やはり、松井選手やイチロー選手、松坂投手に比べて人気がないのでしょうか(涙)
ただ、個人的に黒田投手の魅力は、そういう実力・実績に比して露出が少ないところにもあるので、複雑な心境です。
個人的な嗜好についてのコメントを続ければ、黒田博樹という選手は、才能やスター性の面で、イチロー、松井、松坂、ダルビッシュ、田中といった面々に及びません。しかし、そこが良い。
もちろん、ご両親がスポーツエリートで、185㎝の(日本人としては)恵まれた体格を持ち、150㌔を超えるボールを投げられる時点で、黒田自身も充分に才能に恵まれているのですが、卑小な我が身を振り返りながら野球を見るとき、光り輝くスター相手に奮闘努力している黒田の姿が心に響くのです。
それは、はるか遠くのスターよりも僅かに近い、というだけのことかもしれません。しかし、体格などの言い訳ができる人間よりも、ある程度以上の才能や実績のある人物がより高い壁に当たった時、それを乗り越えていく精神力の凄まじさはいかほどのものでしょう。
黒田の座右の銘「雪に耐えて梅花麗し」は、黒田の口を経て、さらにその意味に重みを増している気がします。
スタッツでみても、黒田のそれは、先に出た松坂、野茂、上原のそれとは違います。入団の年、黒田はドラフト2位でした。ドラフト1位で入団した同期の澤﨑俊和は、その年、新人王を取ります。翌年に入団した小林幹英も、川上憲伸と新人王を争う活躍。そんな中で、黒田は少しずつ課題を乗り越えて、4年目に花を 開かせました。黒田の投球、スタッツを見ると、「コントロールは才能」という、最近の常識を疑いたくなります。
この課題を乗り越えていく姿にも関わりますが、黒田投手のもう一つの魅力は、その良い意味でのクレバーさです。侍・漢(おとこ)といった表現が定着しており、私も努力家の面を強調してしまいましたが、黒田博樹という人物は、単に不器用な古武士ではありません。状況に適応する柔軟さを持ち、バッティングで無理をしないという割り切りができ、創意工夫の投球ができる賢さがあります。理知的、思慮深いともいえるでしょうか。
好きだからこそ、良い意味で確信しているのですが、その出処進退も「男気」といった簡単なものだけでなく、思慮深さ故の決断なのだとと思っ ています。以前のエントリーで、多くのコメントが寄せられたオフの風物詩の件も、その思慮深さがあるからこそ、成り立つものではないでしょうか。
今シーズンの大谷翔平の投球と打撃について、野球評論家の誰かが「漫画のようだ」と評しました。しかし、彼のようなキャラクターを主人公にした漫画や小説は、編集者に却下されるでしょう。高卒2年目で160㎞の投球と3割を超える打撃は、現実に目の当たりにするから良いのです。その点、黒田博樹の人生は、小説や漫画にしても面白いのではないでしょうか。
長々と書きましたが、黒田博樹の魅力を一言で申し上げるなら「リアリティのある物語性なら一番」というところでしょうか。
「黒田博樹」「その他の選手」へのコメント、どんどんお寄せください!
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クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。 河野昭修、本塁打大全
『「記憶」より「記録」に残る男 長嶋茂雄 』上梓しました。
広尾晃 野球記録の本、アマゾンでも販売しています。
私の一番好きな現役選手です。待ってましたとばかりにコメントしようかと思いましたが、好きなだけに少し推敲しておりました。その間にコメントが伸びるかと思いましたが・・・あまり伸びていませんね。 やはり、松井選手やイチロー選手、松坂投手に比べて人気がないのでしょうか(涙)
ただ、個人的に黒田投手の魅力は、そういう実力・実績に比して露出が少ないところにもあるので、複雑な心境です。
個人的な嗜好についてのコメントを続ければ、黒田博樹という選手は、才能やスター性の面で、イチロー、松井、松坂、ダルビッシュ、田中といった面々に及びません。しかし、そこが良い。
もちろん、ご両親がスポーツエリートで、185㎝の(日本人としては)恵まれた体格を持ち、150㌔を超えるボールを投げられる時点で、黒田自身も充分に才能に恵まれているのですが、卑小な我が身を振り返りながら野球を見るとき、光り輝くスター相手に奮闘努力している黒田の姿が心に響くのです。
それは、はるか遠くのスターよりも僅かに近い、というだけのことかもしれません。しかし、体格などの言い訳ができる人間よりも、ある程度以上の才能や実績のある人物がより高い壁に当たった時、それを乗り越えていく精神力の凄まじさはいかほどのものでしょう。
黒田の座右の銘「雪に耐えて梅花麗し」は、黒田の口を経て、さらにその意味に重みを増している気がします。
スタッツでみても、黒田のそれは、先に出た松坂、野茂、上原のそれとは違います。入団の年、黒田はドラフト2位でした。ドラフト1位で入団した同期の澤﨑俊和は、その年、新人王を取ります。翌年に入団した小林幹英も、川上憲伸と新人王を争う活躍。そんな中で、黒田は少しずつ課題を乗り越えて、4年目に花を 開かせました。黒田の投球、スタッツを見ると、「コントロールは才能」という、最近の常識を疑いたくなります。
この課題を乗り越えていく姿にも関わりますが、黒田投手のもう一つの魅力は、その良い意味でのクレバーさです。侍・漢(おとこ)といった表現が定着しており、私も努力家の面を強調してしまいましたが、黒田博樹という人物は、単に不器用な古武士ではありません。状況に適応する柔軟さを持ち、バッティングで無理をしないという割り切りができ、創意工夫の投球ができる賢さがあります。理知的、思慮深いともいえるでしょうか。
好きだからこそ、良い意味で確信しているのですが、その出処進退も「男気」といった簡単なものだけでなく、思慮深さ故の決断なのだとと思っ ています。以前のエントリーで、多くのコメントが寄せられたオフの風物詩の件も、その思慮深さがあるからこそ、成り立つものではないでしょうか。
今シーズンの大谷翔平の投球と打撃について、野球評論家の誰かが「漫画のようだ」と評しました。しかし、彼のようなキャラクターを主人公にした漫画や小説は、編集者に却下されるでしょう。高卒2年目で160㎞の投球と3割を超える打撃は、現実に目の当たりにするから良いのです。その点、黒田博樹の人生は、小説や漫画にしても面白いのではないでしょうか。
長々と書きましたが、黒田博樹の魅力を一言で申し上げるなら「リアリティのある物語性なら一番」というところでしょうか。
「黒田博樹」「その他の選手」へのコメント、どんどんお寄せください!
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拙文を掲載していただき、ありがとうございます。
長文、本当に失礼しました。