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「昭和野球かるた原画展」「Baseball Art展」のスペシャルイベントとして野球文化の重鎮お三方によるトークショーが開かれた。
神保町CORSOで開かれた展覧会は大好評。

作品はすでにご紹介したが、それに加えて秀逸だったのは、「増殖する年表」。
野球史、現代史、MLB史の3カテゴリーで来場者が、それぞれ出来事をコースターに書いていく。
私のような素人も書くが、錚々たるイラストレーター氏も書く。というか描く。手書きの文字と素晴らしいイラストが混在している。
このあいだ「講談社出版文化賞」を受賞したイラストレーターの岡田航也さん(Numberなどでおなじみ)など、これに命を懸けているんじゃないか、という熱意で何枚も書いておられたが、これはもう作品です。
毎日毎日増えていって、最終的にはこうなった。

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幸いなことに保存、再現される模様。

学士会館に舞台を移して行われたトークショー。
会場にもかるたや資料が展示された。

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左から蛭間豊章、池井優、向井万起男のお三方に司会のBIBLIO店主小野祥之さん。

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私は小野さんから「話に詰まったら何かつっこんで」と最前列に座ることを仰せつかったが、そんな必要は全くなかった。

MLBの思い出、心に残った野球選手、野球文化、まさに談論風発。

池井先生はアメリカの少年野球の素晴らしさを説き、

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向井先生は野球文化がアメリカに深く根付いていることを紹介、

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蛭間記者はNPBのビジネスのリアルな一面を話した。

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会の後で講談社の編集者の方が
「3人とも話芸になっている。特に池井先生は、もう名人の落語のようだ」
と言われたが、全く同感。真下から見ていて、師匠連の話芸にふれたような心地がした。

洒脱な向井、柔和な池井、温厚な蛭間のお三方の表情。見ているだけで満足だ。

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会場に集まった面々もただものではない。著名なイラストレーター、彫刻家、ライター、編集者、セイバーメトリシャン、野球史家、そして筋金入りの野球ファン。

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私は以前から「野球」とは別に「野球文化」という新たなジャンルが生まれつつあると感じていたが、もうその世界はかなり成熟していると思った。

もちろん、向井さんの言を借りれば、アメリカに比べればまだ全然大したことはないのだろうが、それでも旨酒が熟成されつつあるような感じがした。
その端っこに入れていただければ嬉しいなと思う。

ところでこの回を主宰し、私たちおじさんを頤使して切り盛りしたのは、まだ慶應大を出て数年、二十代半ばの工藤さんというお嬢さんだ。
頼もしいと言うか、末恐ろしというか、日本の「Baseball Art」は、前途洋洋だと思った次第。ついていきます。

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