7月末の段階で、アリーグ東地区首位。2位のニューヨーク・ヤンキースに2ゲーム差をつけ、3位タンパベイ・レイズ=TBとは10.5差だったボストン・レッドソックス=BOSだが、9月に入って負けが込み、ポストシーズン進出が危うくなっている。NYYとは4.5差の2位ながら、昨日も直接対決に負けて、3位TBとの差が2になった。

今季のペナントレースを数字で見てみたい。






開幕から5連敗とつまずいたBOS。しかし今年のチームの目玉だったSDから来たエイドリアン・ゴンザレスが調子づくとともに、打線が上向きとなりNYYと激しいつばぜり合いを行った。例年、3強を形成するTBは、ことしは大幅に戦力をダウンさせており、2強3弱の様相だった。

BOSは、エイドリアンに刺激されたように、しばらく鳴りをひそめていたデビッド・オルティーズが復活。ちびっ子コンビのダスティン・ペドロイア、ジャコビー・エルズベリーが小技だけでなく本塁打も量産した。今年は小兵選手が大きいのを打つ年のようで、NYYのカーティス・グランダーソンがホームランダービーを制しそうな勢いだが、例年通りBOS、NYYの2大打撃王国が、アリーグ東地区の覇権を争う様相になった。

BOS、NYYともに不安材料は投手陣だった。BOSはともに再生途上のジョシュ・ベケットと松坂大輔のうち、ベケットは完全復活したが松坂は期待にこたえられずついにはDL。バクホルツもDLに入り、レスター、ベケット、ラッキーは計算できたが、先発投手陣の絶対数が足りなかった。その上に、岡島秀樹が戦力外となり、その代わりに獲得したフランクリン・モラエス、昨年売り出したダニエル・バードがやや不振と、セットアッパー陣もさえなかった。

NYYは、CCサバシアに次ぐ先発投手陣に不安があった。AJバーネットは相変わらずの乱調。ただ大きな期待をしていなかったバートロ・コロンが使えた上に、イヴァン・ノヴァという文字通りの新星が現れた。強力な打線の援護もあり、大きな破たんはなかった。

9月、BOSの先発は、ミラー、ラッキー、ベケット、ウェークフィールド、ワイランド、ベダードという有名無名を交えたなりふりかまわぬ起用。しかしこれが裏目に出た上に、中継ぎ陣も機能せず、昨日の段階でTBと2ゲーム差。ここへきて打線もやや湿りがち。とくに故障持ちのケビン・ユーキリスの不振が目立っている。

7月に大差をつけた段階で、BOSに多少の気の緩みがなかったとはいえない。200勝まであと1と迫っていたウェークフィールドを9回も先発に起用し、3勝6敗。切羽詰まった状況なら考えられないだろう。

TBは、昨年オフ、強豪チームの草刈り場と化した。投手陣ではマット・ガーザ、ラファエル・ソリアーノ、ホアキン・ベノア、グラント・バルフォア、野手陣ではカルロス・ペーニャ、ジェイソン・バートレット、カール・クロフォードらが他チームに去った。今年はとても覇権争いに参加できないだろうと思われたが、残る人材を活用。拾い物のKCコッチマンのブレーク、新人投手ヘリクソンの台頭もあり、選手をやりくりしてここまで来た。投打の数字はNYY、BOSに全く及ばないが、競り勝ち、守り勝つ戦法でポストシーズン進出が見えるところまで来た。マツドン監督の手腕は大したものだと思う。

本日、BOSはBALとダブルヘッダー。百戦錬磨のBOSがワイルドカード争いを制する可能性はいまだ大きいだろうが、心情的にはTBを応援したい。


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