偏差値で見る今年のNPB。投手陣。打撃陣が軒並み数字を落としていることを考えると、投手陣は数字が上がっているはず。一種のバブルのような状態になっているはずである。


セリーグ、まずは防御率と奪三振。成績は昨夜まで。



偏差値で見ると、昨年の前田健太の防御率2.21の方が、今年の西村、内海、吉見の1点台よりもレベルが高い数字だということになる。このメンバーでの偏差値50のラインは昨年は4.00だったが今年は2.70。今年に限って言えば、防御率3点は落第だということになる。

前田健太の凋落が目立つ。

意外なことに奪三振数はそれほど増えていない。まだ残り30試合があるから、2011年の奪三振王は180前後にはなりそうだが、全体の水準としても今年と昨年は大差がない。審判部の統一によりストライクの判定が甘くなっていると言われるが、その影響はこと三振に関しては顕著ではない。

セイバーメトリクス的な数値であるWHIPとDIPS。WHIPは、1回当たりに出した走者(安打と四球による走者)。DIPSは、投手が自分ひとりでコントロールできる三振、四球、本塁打だけで算出した数値。投手の真の実力に近いとされる(数式はDIPS2.0)。





審判部改編によるストライクゾーンの変化は、WHIPではある程度見ることができる。奪三振よりは与四球を減らすという点で有意の変化があったようだ。WHIPの偏差値50は1.32から1.15前後へと上昇。

DIPSもかなり上昇している。今年、最も実力を発揮している投手は阪神の能見、続いてメッセンジャー。今年の阪神は二人の投手でもっている。興味深いのは、前田健太のDIPSが、昨年3.11より今年2.91と上昇していること。本質的な力は落ちていないのかもしれないが、統一球、審判部再編という環境変化と、相対的なリーグの力関係の変化によって、大きく数字を落としているということだ。

ただ、セリーグでは打者同様、傑出した投手はあまりいない。相対的に数字が上がっているが、それだけだという感じがする。

稿を改め、パリーグを見てみる。

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