成績的には仕方がないとも思うが、見ていて楽しい選手だっただけに残念だ。
今季は4月に左膝関節軟骨損傷のクリーニング手術をしたこともあり、出場機会は減っていた。代打としては11打数1安打。

キャリアSTATS

Inaba-2014


1994年ヤクルト3位、同期同年齢に河原純一(巨人1位)、山内泰幸(広島1位)、北川博敏(阪神2位)、西口文也(西武3位)。2歳上の宮本慎也もドラフト同期(2位)。

デビュー年はヤクルトが優勝した年、2年目には3割を打ってレギュラーとなったが次第に成績が下落。この頃は左投手が苦手な印象があった。
2001年に再び3割を打つが、好調が2年続かなかった。怪我が多かったのだ。

2004年オフにFA宣言、MLBに挑戦すると表明。
イチロー、松井秀喜がMLBで実績を上げていただけに、どこか声をかけるかと思ったが、手を上げた球団はなかった。
「そうか、NPBでこの程度の成績しか上がっていない選手には声がかからないのか」
と思った記憶がある。
32歳と言う年齢、盗塁、長打、四球の少なさ、一塁、外野しか守れないこと、などが忌避されたのではないか。

かなり大きく報じられただけに、稲葉は屈辱を感じただろう。球界再編問題で揺れた後だけに、目立ってしまったのも気の毒だ。

北海道へ移転して2年目の日本ハムに入団。これは稲葉にとって本当に良い選択だった。
外野手として固定され、出場機会を得たのも良かったのだろう。成績は安定し、チームの中軸になった。
勝負強い打撃と堅実な守備、左投手にも対応し、4年連続で3割をマークした。
また選球眼も向上した。
試合前の打撃練習で、誰よりも鋭い打球を飛ばした。スタンドにぽんぽん放り込んでいたのは印象的。
打席では、一見打つ気がなさそうに見えて、凄いファウルを打ったりする。期待感を抱かせる打者だった。
例の稲葉ジャンプは、応援席以外にもどんどん響いてくる。地震にそっくりで、気味が悪かったが。

ヤクルト、日本ハムにちょうど10年ずつ在籍。ヤクルトでは「半レギュラー」だったが、日本ハムでは立派なチームリーダー。40歳を過ぎても元気だった。
MLBに行かなくて良かった打者の代表選手だろう。

イチローよりも1歳上、よく頑張ったといってよいのではないか。


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