今年、ニューヨーク・ヤンキース=NYYとの契約が切れる井川慶は、NYYではとっくに戦力構想から外れたが、5年2000万ドルという高額年俸がネックとなって他チームからのオファーもなく、この3年はマイナー暮らし。
5年間のマイナー登板試合は107、533回を投げて36勝25敗。AAAのスクラントンであげた33勝はチーム最多。しかしながら、マイナーでの数字が評価されるはずもない。長い“飼い殺し”生活の間に成績は次第に落ちてきて、2011年はAAで投げた。パッとしない成績だった。

外見上は野球をやっていることにはなっているが、すでに意欲は失われていて、ただ仕方なく試合を消化しているという点で、井川慶と横浜ベイスターズはよく似ている、と言ったら井川にも、ベイスターズファンにも怒られるだろうか。でも、気が抜けたビールのような状態のまま事態を長引かせているという点でも、似ていると思う。

今年は2試合だけ横浜の試合を見た。試合前にこれほど静かなチームは横浜だけだった。ノックの終わりのボール回し、捕手の送球が外野へそれても誰も捕りに行かなかったり、ベンチの前でにやにやと談笑する選手がいたり。一人ひとりの選手は、プロとして頑張ろうとしているのは間違いがないが、全体として弛緩した空気が流れているように思った。

それは、選手や監督のせいではなく、球団、経営者の責任だろう。昨年オフの時点で、横浜ベイスターズは親会社TBSにとって、大きな負担であることがはっきりした。経営者としては売却したくてたまらない。しかし、簿外債務である横浜球場の使用料がネックとなって売買は成立しなかった。TBSは不本意ながら今季も横浜ベイスターズの経営を続けている。いやいやながらチームを存続させているのだ。こういうチームが、本格的な補強をするはずがない。今年1年、横浜は“飼い殺し”に近い状態でシーズンを続けていた。これは誰にとっても不幸なことだったと思う。





統一球の導入、審判員の組織変更によって球界地図が大きく変わる中、これまで戦力的に劣ると思われたヤクルトや広島は、低予算でも効率の良い補強をして、巨人、阪神、中日に伍して好勝負を続けている。ひとり横浜だけが、選挙の泡沫候補のように「独自の戦い」となっている。

金がないのが原因ではない。金がなくても工夫次第で戦えることは、今年の広島が証明している。「やる気がない」のだ。将来の展望がないから投資をすることができない。近視眼的な糊塗策しか打てない。また、親会社のTBSとしても、来年にはなくなるかもしれないから派手な応援はできない。今年は「サンデーモーニング」でも、他の番組でもベイスターズに触れる回数はかなり減っていた。こういう状態を長引かせることは「罪」である。

今年もそろそろ身売り話が出てきたが、TBSはファンのためにも、選手のためにも、少々の出血をしてでも、横浜を手放すべきだ。ここでまた交渉が決裂し、2012年もTBS傘下で戦うということになれば、昨年の内川に続いて村田など主力選手の流出が続くだろう。また、天下に広く電波を流しているTBSという企業の無能も露呈すると思う。



横浜ベイスターズには、かつての阪神のように「負けても好き」という根強いファンがいる。彼らの純情に報いるためにも、横浜ベイスターズは早く身売りされるべきだ。

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