私はプレスパスをいただいて四国アイランドリーグplusの試合を見に行っているが、記者室には荷物を置く程度でほとんどいない。試合経過を見るだけなら、記者室でもよいが、球場の雰囲気やファンの表情を知るには、スタンドに行くしかないからだ。

ちなみに記者室からの試合はこんな風に見える。

P5028035


かなり集中的に試合を見たので、いつも顔を合わせる常連客、固定のファンがわかるようになった。何人かに話を聞いた。

DSCF0330


高知の応援席で、良く通る大きな声を上げているのは高知の企業で働くサラリーマンだった。しかし、その後中国地方に転勤となった。
今は試合のある週末ごとに車を走らせて球場に駆け付け、応援をしている。
試合の後仲間とビールを飲むことができなくなったのが残念。

P4286082


休日のデーゲーム。地域ぐるみで応援に来ている家族連れの団体をよく見る。
多くは、地域の少年野球チームが球団とタイアップしている。試合開始のときに選手とともに子どもたちが守備位置について喝采を受ける。その後、ボールボーイもする。
父母たちは試合よりも子供の方を追いかける。
しみじみ思うが、都会よりも地方の方が親たちが子どもに対して細やかに気を配っている。
少年野球チームの監督が、観客席に戻ってきた子どもたちに、四国の選手たちのプレーを見ながら解説をしている。
「な、投手は投げる前、肩ぐにゃぐにゃやろ。力入ってないやろ」
「ゴロ取るとき、守備位置で待ってへんやろ。前へ出てるやろ」
プレーを見ながらだと説得力がある。

P4292154


応援をするでもなく、他の人々と話すわけでもなく、じっとグランドを見つめている家族。選手の家族だ。
別のチームに在籍していたときから、ずっと選手を追いかけて観戦を続けている。
父親はすでに退職。車を駆って、チームとともに四国中をまわっている。
試合が始まるまでは、温泉に入ったり、観光したり、のんびりと旅を楽しんでいる。

P8162123


ソフトバンク3軍も四国アイランドリーグplusと交流戦をしているが、このチームの選手を追いかけて転戦している親もいる。
ソフトバンクの場合「父母会」のようなものがあるようで、選手の親同士が顔見知りだ。いろいろな噂話をしながら、観戦している。ただ、休日以外にはあまり見かけない。

一人で贔屓チームのユニフォームを着てスタンドに座っている中年のファン。この人は、かなりの僻地の試合でも見かけた。
タクシーの運転手、とのこと。休みの日はもっぱら四国アイランドリーグplus観戦。
「車運転するのは、苦にならんけん」とのこと。

どの球場でもそうだが、GMや球団社長などの経営陣は、しょっちゅう客席に来て、顔見知りを見かけて挨拶をしたり、スタッフに指示をしたりしている。
行政やスポンサーなどを客席に案内することもある。
数百人程度のお客だから、客席の状態は手に取るようにわかる。

「地域密着」とは、こういう地道で、終わりのない取り組みの連続なのだ。
これを続けてきたから、経営の足腰が強くなったのだと思う。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!




クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。
1950年浜崎真二、全登板成績


独特の腰つきしとります 達川光男 


好評発売中。アマゾンでも!



Classic Stats






広尾晃 野球記録の本、アマゾンでも販売しています。