旧聞に属するが、西武の江草仁貴と広島の嶋重宣のトレードについて触れておきたい。
嶋は東北高から94年ドラフト2位で広島に入団。
甲子園のエースであり、当初は投手だったが99年に野手転向。

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2003年は1安打だったが、2004年いきなり首位打者に。以後は主軸打者として活躍したが、最近は出場機会を減らし、昨年は代打での起用が多かった(出場54試合中24試合)。スイングが速い左の中距離打者だ。
左翼の守備は金本やラミレスなどと比較すれば格段に良かった。守備の判断の的確さが目立った。投手出身だけに肩も良かったのだが、首位打者を取った頃と比べて、体重が数キロ増えたこともあり、緩慢な印象を与えていた。スピード感のある選手が増えている広島にあって、浮いた存在になりつつあった。代打としても前田智徳が控えており、2番手の扱いだった。
嶋は左投手を苦にしない左打者であり、DHであればまだひと花咲かせることが可能だろう。おかわり中村剛也の後ろに嶋がいれば、威圧感がある。

一方の江草はいわゆる松坂世代。広島、盈進高校から専修大学へ。大学3年までは全く無名だったが、4年の活躍で2002年ドラフト自由枠で阪神に入団。
2006年に一時先発に転向したが、それ以外は救援投手としてキャリアを重ねてきた。

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救援投手でありながら、セーブは0。JFKのつなぎ役として地味な存在だったが、次第に登板機会が増え、セットアッパーとして存在感を増していた。左で適度な荒れ球であり、打者には的を絞りにくい投手だった。
しかし2009年後半から制球難が目立ち始め、球速も下落、2010年シーズン途中にファームに落ち、2011年シーズン途中に西武に移籍した。
2011年の江草のファームでの成績。

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四球が多いうえにファームの打者にもよく打ちこまれている。状態は良いとは言えない。広島は青木が故障で出遅れているため左の中継ぎの補強が急務だった。まだ31歳と若いが、江草の復帰には疑問符が付くだろう。ただ地元に帰ってきたということで、モチベーションは上がるかもしれない。

こうしたトレードはもっと行われてよいと思う。ともに一時期は活躍した選手だけに、再起してほしい。

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