少しずつ調子は下り坂だったようだ。昨日の黒田博樹は、球が高めに浮いていた。





黒田の調子のバロメーターは、三振や空振りを奪った回数ではなく、少ない球数でゴロを打たせて取る数だ。シンカーが低めに決まり、それに打者が手を出すパターンだ。

しかしこの日は、打ち取ったものの外野へのフライが多かった。よい当たりも結構あり、いつかはつかまるのではないかと思えた。

2回、ロサンゼルス・ドジャース=LADが満塁ホームランも出て、8点を先取。もともとサンディエゴ・パドレス=SDは打線が弱体だが、これに加えて早々に勝負に対する執着心が薄れたために、黒田は危ういながらも淡々と投げ進むことができた。

いつからかわからないが、黒田は髭を伸ばしていて、荒いゴマ塩の髭が顎を覆っていた。また、時折笑顔が見えて、やや緊張感がないように思えた。

はたして6回、ジェイソン・バートレットが良いあたりではないが右前に運び、続くグスマンが初球を二塁打、そしてカイル・ブランクスの2球目、内角高めを右翼席に運ばれた。カーブまたはスライダー。あまり変化しなかった。さらに、オーランド・ハドソンの5球目、外角高めのボール球を右翼席に運ばれた。

しかしながら、マッティングリーはマウンドにハニカットコーチを行かせたものの、続投させた。黒田は後続を断ち、リリーフ陣が抑えて11勝目。あまり褒められた勝利ではないが、前半戦で煮え湯を飲まされてきたことを考えれば、こういう日があっても良い。ただ、ERAが3点台になったことは惜しまれる。

凡戦というべき戦いだったが、J-Sportsの中継をご覧になった方は、島村俊治アナと小宮山悟の解説を堪能したのではないか。島村アナが大阪府堺市にある黒田博樹の父、元南海の捕手黒田一博の墓に参り手を合わせた話。「この墓地には鶴岡一人さんも、杉浦忠さんも眠っているんですねえ」には、ぐっときてしまった。

黒田博樹はあと5回ほどマウンドに立つことになる。できるだけ多く白星を重ねてほしい。

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