セパ両リーグ分立後の両リーグの観客動員の推移を見ていこう。
各年度優勝チームとリーグ観客動員数、平均。対比はセから見たパの対比。
何度もご指摘をいただく通り、NPBの観客動員は2004年まで「球団発表」であって、本当の動員数とは乖離があった。
実のところ、球団関係者の話では、今の動員数の発表も各球団によってまちまちで、年間指定席を入場者数にカウントしている球団は未だに存在するようだ。
そのことは加味しなければならないが、観客動員数の対比は概ね時代時代の両リーグの力関係を反映しているだろう。
意外なようだがV9時代までのセリーグは平均すれば観客動員数は2万人に達していない。
広島初優勝の75年に激増して(数字は信用できないにしても)、79年に初めて1000万人に乗っている。
パリーグは75年時点では観客動員でセリーグの三分の一にとどまっていたが、80年代に入って急速に差を詰めている。
これは西武ライオンズの登場が大きいように思う。観客動員力、選手獲得力で圧倒的な力を見せつけた。
私見だが、1976年に始まったプロ野球ニュースの影響も大きいのではないか。
巨人しか知らなかったファンが、他の球団、とりわけパリーグの試合、選手を知ったことで試合に足を運ぶようになったと思われる。
88年に両リーグの動員数は2000万人に乗る。
2004年に2445万人と最多を記録するが、2005年に1992万人に急減。これは各球団がより実態に近い数字を公表するようになったからだ。2004年オフはいろいろな意味でエポックメイキングな年だった。
今年、パリーグは2004年以来の1000万人超え。実質的には初の大台クリアと言ってよいだろう。
セリーグとの対比は昨年と変わらず1.24。
以後、浮き沈みはあったが観客動員数は横ばい。市場は殆ど拡大していない。現状維持をどう評価するか、意見は分かれるところだ。
MLBも2000年頃から観客動員は7000万人前後で推移しているが、ビジネスの規模は30億ドルから60億ドル超へと拡大した。メディア戦略、ライセンス戦略、国際戦略などの複合的な取り組みによる。
NPBのビジネス規模は恐らくほとんど拡大していないはずだ。その才覚も意欲もないように思える。
MLBのビジネス規模が拡大したと言うことは、NPBの市場にMLBが進出してきていると言うことでもある。
少なくともNPB関係者は、観客動員が増えたからと言って、一喜一憂している暇はないだろう。
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まだまだ成長の余地を残しているでしょう。
大きく増えた横浜DeNAも土日はかなり一杯ですが平日はまだまだ余裕です。
しかしビジネスとしては90年代末期~00年代前期がピークですね。
キー局のある首都圏における野球人気の低下、地上波中継の減少、
それに伴う放映権料金の暴落、そして最大の原因となる日本人のテレビ視聴離れ。
特に日米ファン間最大の差ともいえるテレビ離れは大きかったように思えます。
アメリカ帰りの知人にきいても
「奴らのライフスタイルはそう変わらない」とのことなので
MLBはしばらくは現状のバブルは続くのではないでしょうか。
ではNPBはというと今後さらに少子高齢化は進みますが、
逆に言えば最もカネがある層が増えていくわけで、
幼少時に野球中継があるのが当たり前だった世代
(今の30代前半が最後でしょう。私もそこですが)が
死ぬまではそうそう大きな変動は起きないのでは。
その後は分かりません。今の高卒新人社員なんか全く理解できないでしょうし。