久保田智之は、肩幅が広く豪快な投球をする魅力的な投手だった。しかし、ここ6年間は満足な投球ができなかった。
阪神は投手に過酷な登板を科す球団だ。投げられるとなると、使えなくなるまで徹底的に投げさせる傾向がある。

21世紀に入ってから14年の阪神投手の登板数ランキング

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この14年、一番多く登板しているのは藤川球児。
彼は11年間で40試合以上登板した年が8回、長期の戦線離脱は殆どなかった。
しかしMLBに移籍後、トミー・ジョン手術を受けた。

それに次ぐのが久保田。しかし彼は2007年をピークとして成績は下落。今季はついに投げられなかった。
「登板数の日本記録の更新、めざしたらどうや。いけるやろ」と電鉄上がりの役員に言われている記事を読んだことがある。阪神は救援投手は消耗品だと言う意識が強い。
久保田は肘よりも肩の方が悪かった。肩にはトミー・ジョン手術のような独参湯はないから現役断念に至ったのだろう。

ずっと投げ続けている投手は福原忍だけ。14年投げているのは安藤優也。この二人は先発投手として活躍したのち、低迷期を超えて中継ぎ投手に転身、チームに長く貢献している。彼らは自分の投球スタイルを確立させたのだろう。しかしこの二人は例外だ。

勢いに任せて投げて短期間で成績が急落する選手もいる。
現役でいえば、榎田大樹、松田遼馬、そして今年戦力外になった西村憲などがそうだろう。
彼らは自分たちの限界を知らないまま投げまくったのかもしれない。

投手は個人差が多い。同じ練習をして、同じように登板しても、一方は長く投げ、一方はすぐに潰れることもある。
日本には「正しい投げ方」というものがある。故障を少なくする安全なフォームを身に付ければ、球数を気にせず投げることができる、という指導者も多い。

しかし、どんな「正しい投げ方」でも登板過多になれば、体に何らかの影響が出る。
やはり、「適正な登板数」を知ることが必要になる。

プロ野球はトップリーグだから「将来のことを考えて肩、肘を温存する」必要はない。しかし、投手は現役生活を長く続けるために、過酷な登板はできるだけ避けたい。
球団にとっても投手は重要な「資産」だから、これを順調に償却したい。そういう意識が働くべきだ。

阪神は、特にここ10年、巨人と肩を並べる「人気球団」になってから、選手を大事にしなくなったように思える。
「代わりはいくらでもいる」と言わんばかりに毎年他球団の大物を補強する。それ自体は悪いことではないが、自前の選手を大切にしないと、将来展望が立たない。

久保田や西村のようなリタイアは残念で仕方がない。彼らはもう少し大事に使えばキャリアが伸びたのではないか。

今、阪神で一番気がかりなのは藤浪晋太郎、彼の1回当たりの平均投球数は17を超えリーグ1だ。無駄球を投げまくっている。そして昨年のような投球制限はしていない。この投球で長く持つとは思えない。榎田大樹、渡邉亮らも気がかりだ。

阪神はもう少し長期的な展望を持って、投手を起用すべきではないか。


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