最近死球数が増えているのではないか、という疑問に対する答えとして、NPBの死球数の推移を調べてみた。
2リーグ分裂後の1950年から今シーズンまで。
HBP/Gは1試合当たりの死球数。
両リーグとリーグ計。10年ごとに小計を付けた。
1950年台は0.3台。つまり3試合に1個程度だった。
60年代になると0.5に近くなる。注目すべきは後半に急上昇していることだ。
68年にはバッキーによる王貞治の死球禍がある。パリーグでは東映の森安敏明がシーズン22死球のNPB記録。
70年代に急増。50年代と比較すると倍増する。特にパリーグの増え方が著しい。
田淵の選手生命を危うくするような死球、マニエルがアメフトのヘルメットをかぶるに至った死球が記憶に新しい。
なぜか80年代になると減少する。特にセリーグは大きく減少。
90年代に入る、94年にはセリーグが、危険球に対して一発退場になる制度を導入。
しかしセリーグはむしろ増加、パリーグの方が減少。
21世紀に入って2002年にパリーグも危険球制度を導入。しかしこの時期から死球は急増する。2004年のパリーグは実に.965、
セパ両リーグともに.700以上の高い数字のまま現代に至っている。
1試合に1個弱は死球を見ることができる計算だ。
現代の“死球禍”の特長は、特定の投手がぶつけまくっているのではなく、平均的に投手の死球が増えているということ。
最多与死球投手のランキング えんじ色は現役
積み上げの数字が少ないのは、投球回数が少なくなっていることもあるが、現代によく当てる投手がいるとはいえない(稿を改めて、投手の与死球率も出す)。
これは恐らく投手の投球スタイルに起因すると思われる。
多くの右投手が右打者の懐を衝くスライダー(いわゆるインスラ)を武器にしだしたことが大きいのではないか。
インスラといえば東尾修が思い出されるが、彼はNPB最多与死球投手だ。
今は、東尾のように露骨にぶつける投手はいないが、多くの投手がインスラを投げる。内角を攻めるのがセオリーになっている。
どの投手にでもぶつけられる可能性がある。
今のNPBは打者にとって危険度の高い環境になっていると言えるのではないか。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
↓
クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。
チーム別シーズン投手成績バックナンバー 1955~1969
広尾晃、3冊目の本が出ました。
HBP/Gは1試合当たりの死球数。
両リーグとリーグ計。10年ごとに小計を付けた。
1950年台は0.3台。つまり3試合に1個程度だった。
60年代になると0.5に近くなる。注目すべきは後半に急上昇していることだ。
68年にはバッキーによる王貞治の死球禍がある。パリーグでは東映の森安敏明がシーズン22死球のNPB記録。
70年代に急増。50年代と比較すると倍増する。特にパリーグの増え方が著しい。
田淵の選手生命を危うくするような死球、マニエルがアメフトのヘルメットをかぶるに至った死球が記憶に新しい。
なぜか80年代になると減少する。特にセリーグは大きく減少。
90年代に入る、94年にはセリーグが、危険球に対して一発退場になる制度を導入。
しかしセリーグはむしろ増加、パリーグの方が減少。
21世紀に入って2002年にパリーグも危険球制度を導入。しかしこの時期から死球は急増する。2004年のパリーグは実に.965、
セパ両リーグともに.700以上の高い数字のまま現代に至っている。
1試合に1個弱は死球を見ることができる計算だ。
現代の“死球禍”の特長は、特定の投手がぶつけまくっているのではなく、平均的に投手の死球が増えているということ。
最多与死球投手のランキング えんじ色は現役
積み上げの数字が少ないのは、投球回数が少なくなっていることもあるが、現代によく当てる投手がいるとはいえない(稿を改めて、投手の与死球率も出す)。
これは恐らく投手の投球スタイルに起因すると思われる。
多くの右投手が右打者の懐を衝くスライダー(いわゆるインスラ)を武器にしだしたことが大きいのではないか。
インスラといえば東尾修が思い出されるが、彼はNPB最多与死球投手だ。
今は、東尾のように露骨にぶつける投手はいないが、多くの投手がインスラを投げる。内角を攻めるのがセオリーになっている。
どの投手にでもぶつけられる可能性がある。
今のNPBは打者にとって危険度の高い環境になっていると言えるのではないか。
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チーム別シーズン投手成績バックナンバー 1955~1969
広尾晃、3冊目の本が出ました。
昔はもう少し低くて0.15前後を維持してます
20世紀初頭は今と同じぐらいの水準でやや高め
こう見ると日本の死球の多さに驚きました